いつか
あなたが 私の目を開かせ
この世が光に溢れていることを
気付かせてくれた
小さなことにも心を震わせ
その思いを僅かながらも綴ることが
自分の礎(いしずえ)になると
あなたが そう 教えてくれた
あなたに出会えただけで
私の人生はもう 充分に満たされている
心はもう枯渇してはいない
満たされたくて伸ばしたはずの両腕は
今 大切な誰かを満たそうとしている
その時のふたりの距離など 問題ではない
言葉と言う形を借りて 魂が触れ合う
ただそれだけで
私はこれからも 自分の足で歩いてゆける
私という存在が あなたの記憶の中にあること
その事実が 私を支えてくれているのだと
そして あなたにとっても そうであってほしいと
小さなわがままを 心に留めながら
いつか あなたに伝えたい
言葉では言い尽くせないほどのこの感謝を
心から微笑んで
伝える日が来るだろう
いつかあなたに
こどもたちへ
あなたの目の前に広がる世界は それが全てではないのです
まだこれから あなたが出会うべき人 出会うべきできごと
全てを受け止めて あなたの中に留めても 外に流し出しても
それはあなたの自由なのです
いずれあなたは知るでしょう
全てには原因と結果があるということ
あなたが痛みを感じ 涙を流すとしたら
それは結果でもあり 原因でもあるのです
悲しみが 寂しさが あなたを傷つけ涙を流させる
そして同時にその涙は あなたを強くする糧となる
時にあなたを打ち崩す仇となる
それでもあなたは生きてゆかなければならない
あなたが生きていくこと それ自体 何かの原因になり 何かの結果になる
苦しくもがいたとしても あなたが生きた証は 誰かの生きる糧となる
手を伸ばすことをやめてはいけない
疑問に思うことをやめてはいけない
そしてそれを誰かに問うこと 問い続けることをやめてはいけない
自分が知らずのうちに打ちたて築き上げた壁を
崩す強さをなくしてはいけない
そして何より その壁が自分にとって何たるかを
自問することをやめてはいけない
いずれあなたは知るでしょう
決して一人では生きていけないということ
一人で生きられたとしても それがいかに空虚な錯覚であるかを知ることになる
誰もいない場所にあなた一人がいても 誰もあなたを必要としない
あなたが全てになった所で あなたを生きる糧とする人は誰も存在しない
神はそこまで薄情ではない あなたがこの世に生きる意味は無ではない
悲しい時に 自分の悲しみをぶつけることのできる 仲間を作りなさい
嬉しい時に 全身で喜びを表現し伝えたいと思う 仲間を作りなさい
誰かが悲しい時に
ただ抱きしめて一緒にうずくまってあげられる 存在になりなさい
誰かが嬉しい時に
あなたに伝えてあなたの笑顔を見たいと思う 存在になりなさい
人生は自分が生きる意味を見つける旅なのだから
旅の途中 突然の大雨にも 突風にも会うでしょう
でもあなたは学ぶのです
雨を避けて進む術を 突風に負けずに足を進める術を
そして雨に濡れることが 時に心を豊かにするということも
あなたにしかできない あなたの旅を 心の底から楽しむこと
それが生きるということです
こどもたちへ
あなたたちの未来は いつかこの宇宙を駆け巡る
そして私はあなたたちに 何かを残したい
私は その何かを見つける旅の まだまだ途中です
ひざを抱えて泣いていた こどもだった私に 届けたい
大人になったあなたは 今 旅をとても楽しんでいます
あなたが泣いていた時間が 全て私の糧になっていると
そう伝えて あなたを抱きしめてあげたいのです
ありがとう
私は
これからも旅を続けます
時間
時間だけが すべての生物に平等に与えられ
ただ刻々と 流れていく
平等なようで 理不尽で 残酷なようで 温かく
ただ刻々と 自分の意思で止まることなく 永遠に流れていく
過去も未来もすべて この瞬間から芽吹くというのに
人間だけがそれを 振り返り 先を案じ 喜び 悲しみ 慈しむ
限りある時間を生きる そして そこから生まれる価値にも限りはある
今ここでの時間が 私を紡ぎ 私を明日へと追い出してゆく
ただ刻々と 私は 私である意味を 確認してゆく
毎日
毎日が単純に過ぎてくれればと思うことと
毎日が刺激的であればと願うこと
どちらがしあわせでしょうか
荒波の中に投げ出され 突風の中に放り出され
それを乗り越えたら きっと 振り返ることもできるでしょう
今 その荒波の中で 突風の中で
もがいている私ができること それは
たとえ光が小さくとも この瞬間を愛すること
ただそれだけなのです
それが私の毎日 それがこの世にいる理由
覚悟
空がまるで 私を見放すかのように 遠く見える朝
そこに手を伸ばすのではなく
私は大地を踏みしめる
たとえ空に浮かべなくても 私はここにいる
たとえただ もがくだけの日々だとしても
私はここにいて 空を見上げている
そしてまた 一日が始まる
なぜ書く?
ただ書く時もあれば 指先が勝手に動く時もあり
書きたいから書くだけじゃなく 何となく書いたりもする
どちらでもいい
その時々の私の痛みや喜びが ここに残るだけ
ここにその時いた事を 教えてくれる
そして私に語りかけたり無視したり
でもどこかに必ずある問いかけは
今 どうしてるの?
今 どうしてこれを書いてるの?
答えても 答えなくても 明日は来る
かさぶた
今までの私は
このかさぶたがどうやってできたのか
どれだけ痛いのか
それを誰かに知ってほしくてたまらなくて
ただ苛立っていて
でも 大切なのは
はがれかけのこのかさぶたも
少し跡が残ることも
全部 過去のものだということ
大切なのは
今 痛いのではなく
その時感じた痛さを思い出して 胸が痛むのだということ
今 痛いのではないということ
そして
何かを話せる誰かがそばにいること
今ならもう
このかさぶたを早く治す術も
うまく隠して目立たなくする術も
少しは身についているのだから
大切なのは
この傷にも痛みにも 何かの意味があり
もし意味が見えなくても 何かの意義があり
痛くもないけれど どこか空洞を感じるこの気持ちも
時間とともに 昇華していくことがあり
今見える答えがすべてではなく
今見えない答えが私を支えるかもしれない
それより いつまでもわからないことが
私のつかむべきものかもしれない
そういう波に飲まれては 乗り越えて
私のココロのかさぶたは
私の強さを証明していく
理由
どんな理由でもいい
小さな理由でも大それた理由でも構わない
この先ずっとあなたといられるなら
大きな壁が前にあっても小さな石につまづいても
それは一時のこと
あなたといられるなら
それでいいのに
ここにいられるなら
それでいいのに
あなたといられるなら
涙は流すために
泣きたければ泣けばいい
ここには重力がある
流れるままに流せばいい
本当の心に背中を向けずとも
少し目線をそらしていたのかもしれない
笑いたくなければ笑う必要はどこにもない
あるとすれば自分の身を守るために
心と裏腹に笑う行為をするだけで
それは笑っているのではない
ただ生きるために必要な行為
本当に
本当に私に必要なもの
あなたに必要なこと
それは自然に訪れるのかもしれないものだ
あなたは言った
涙はこらえるためにあるのではないと
飛びたければ飛べばいい
けれど本当に心から飛びたいのか
何かから逃げるためなのか
それを見つけて
それから飛べばいい
涙は流すために
そして私のからだは
生きるためにある
breath again
静かに 静かに 時は埋まり
気がつけば私はそこに浮かぶ
足元を見なければ歩けないと 誰が決めたのだろう
空には必ず星が光ると 誰が教えたのだろう
涙が流れるのは悲しいときだと いつから思い込み
幸せが形になり目に見えると どうして信じているのだろう
繰り返す全てを抱きとめる
速すぎるこの日常に流されて
この体にはいくつもの傷がつき
少しずつ心に染み込んだ水は
思いもかけずに溢れ出す
滝のように 激しく
川のように 静かに
そして
どこかへ
誰かが決めた言葉を その意味を
私たちは辿り行く
ここにしか道はないのか
では
誰がこの道を作ったのか
あまりに与えられすぎた私たちは
作ること
生むことを忘れすぎたまま
ここでこうして涙を流す
当たり前に感じる今が
いつから当たり前になったのだろう
足元が見えなければ 注意深く手を伸ばせ
空に星が見えなくても 必ずその先に星は存在する
誰かの思いの温かさに触れて流れるこの涙
私がここにいること それだけで幸せとも言えるのに
答えがないことを恐れないで
私がすべきことはひとつではなくたくさんでもない
まずここから
そしていつか
そこへ流れゆくまで
