アルゼンチン・フランス人のMさんはスイスで胃がんを告知され、内臓をバッサリ切った。
画面上では会っていたけれど、2年ぶりくらいにスイスで再会した身体はガリガリ。
半分くらいに小さく見えた。
抗がん剤の直後は足元がフラフラ。
私もそうだった。
Mさんは痩せて胸が小さくなったと嘆いている。
私は日本人で元々胸が小さかったから、全摘しても大して変わらなくて楽ちんだというと、ケラケラ笑った。
こういうジョークはイイ。
Mさんは時々急に「お腹がいたい」とトイレに行く。
どうも食べ物によって調子が悪くなるものがあるようだ。
昔どおり何でも食べる。医者もそれがイイと言っているそうだ。
ごはん日記をつけて、体に合うものとそうでないもののリストを作る予定だ。
でも、1日に少しづつ5-6回食べるから書き忘れる。
そんなMさんのマイ・ブームはヨガ。
「マスターしたのよ、教えてあげる~」
とアパートの床でお気に入り30分コースを手ほどきしてくれた。
30分間ほとんど座ってゆっくり時間をかけて動く。
ポーズひとつにたっぷり1分。
それから、とにかく吸って吐いて、おなかの底に力をいれて
「フッ、フッ、フッ」と何十回も内臓マッサージ。
そうか、胃がん闘病中の人向けなんだな。
Mさんが「フッ、フッ、フッ」と吐きながら上半身を左右にふっている。
これもたっぷり2分。
結構長い。
Mさんは呼吸法がとっても気持ちがいいみたいだ。
私はドックポーズとか、ハトポーズのようなストレッチが好き。
ただ、毎日自分の好きな同じポーズばかりする。
「フッ、フッ、フッ」呼吸を日課に導入しようと思った。
でも、実行はまだだ。
ああ、懐かしのスイス・アルプスでのヨガ合宿。
また行けるといいな。
ちょっと無理しても、やりたい事は実行
「あとで」はやめた。
命拾いをしたMさんと私の合言葉だ。
つづく