荒船山の登山記録の後編です。
登山口の標高が既に1,000mを超えているので
荒船山の山頂までの標高差は僅か400m前後。
「1時間で300m」の文法(?)からすると
1時間+αで登頂する事になります。
前回の鋏岩から一杯水(画像一枚目)まで
それ程時間は掛かりません。
ここは異なる地層の間から水が染み出ています。
一杯水から上は荒船溶岩と呼ばれる安山岩で
テーブルマウンテンを形成します。
ちなみに、コースは初心者向けですが
一杯水から艫岩まで数か所危険なポイントがあるので
ステッキは仕舞った方が良さそうですね。
何とかテーブルマウンテンの頂上へ到着。
荒船山に登った人達の画像によく出てくる
「マツダランプ」のレトロな看板。(↑)
最初は地元の会社かと思いきや
実はアメリカの電球メーカーでした。
「マツダ」は「アフラマツダ」という
ゾロアスター教の最高神から命名したもの。
日本では東芝がOEM生産していました。
昔、この会社の登山パーティーが遭難した事をきっかけに
各地の山に道標を立てるようになったらしい。
へ~、知らなかったなぁ~😲
平らな山頂は爽やかな樹林帯です。
暫く歩くと避難小屋のような建物が。
以前はトイレも備わっていたようで
荒船山の高い人気度が良く分かります。
小屋の直ぐ近くには艫岩。
絶景ポイントで「クレヨンしんちゃん」の
臼井さんが滑落した場所です。
150mほど垂直に切り立った崖になっており
素晴らしい景観に夢中になり過ぎると
取り返しのつかない事になりそうだなぁ~
カメラを崖下に向けてうつ伏せになっても
滑る可能性はありそうです。
艫岩はテーブルマウンテンの端の岩。
上の断面図の最上部の地層で
溶岩が固まった安山岩で形成されています。
硬い安山岩が断崖絶壁として残った訳です。
この日は天気に恵まれ
見事な景観を楽しむ事が出来ました。🤩
正面奥が浅間山で
手前に内山牧場と神津牧場が確認できます。
やはり浅間山の存在感は抜群!
標高2568mの安山岩質成層火山です。
最近知りましたが
1582年にも大きな噴火をしており🌋
甲府盆地に大量の火山灰を降らせたそうです。
武田氏が滅亡したのも頷けるというもの。
そして直後に本能寺・・・・
歴史的大事件と災害は
同時に勃発する事が多いのか?
内山牧場から見た荒船山の様子。(↑)
奇怪な山容が良く分かります。
テーブルマウンテンの右側に尖っているのが
経塚山という荒船山のピークになります。
「船」というより「巨大なマッコウクジラ」
といった感じですよね。
艫岩から径塚山分岐点迄
荒船溶岩の上を30分くらい歩きます。
鳥のさえずりが響き渡り
至福の世界以外のなにものでもない。
とても山頂をトレースしているとは思えない。
あのゴツゴツした巨岩の上は正に楽園です。
面白い山だなぁ~😄
途中、「皇朝最古修武之地」の石碑を発見!
昭和初期に地元の人達が建てたそうです。
解説版によれば
「天照大神に肉食を禁じられた諏訪大社の神が
寒さが厳しく、海もない信州では
天照大神の命では生きていけない。
猿や鹿を食べる事を懇願したところ
天照大神は『ならぬ』との返事。
途方に暮れた諏訪大社の神は
温暖な平地で海にも出られる関東へ
領地を拡大すべく戦の準備を始めます。
この事を知った香取神宮と鹿島神宮の神は
諏訪大社の神を迎え撃ちにしようと
信州境にあるこの地へ赴き、陣を構えた。
戦いで国が荒れることを懸念した天照大神は
孫のニニギをこの地へ使わせ、3神の和議を結ばせた。」
ちょっと長くなりましたが・・・・・・
長野県の諏訪地方は
日本で最も稲作が始まるのが遅かった地域。
独断と偏見で言わせていただくと
「縄文系と弥生系の勢力争いが
話し合いで纏まった。」とも考えられます。
「和をもって尊しとする」って事かいな?😁
「皇朝最古修武之地」の石碑の近くに祠を発見!
周囲に4本の御柱が立てられています。
これは明らかに諏訪の神様です。
標高1300m前後の場所に
石碑や祠を建てるのは大変ですが
何が人々をそうさせたのか・・・・・・・
とても気になります。🤔
ようやく荒船山頂上の径塚山に到着。
ここにも祠がありました。
「荒船の火」って何だろう?
ネットで調べましたが不明です。
ご存じの方いらっしゃいましたら
教えてくださ~い!
最近鍋を買い換えました。
今迄は収納を考えて
立方体のものを利用していましたが
円筒形でも問題はありません。
火傷を防止する取っ手のゴムが重宝します。
昼食はカップラーメン。
想像以上に旨かったけれど
想像以上に‟見かけ”が良くない。
まるで、‟ゲロ”みたいです。
(食事中の方、スミマセン)
荒船山のテーブルマウンテンの上には
湧水が流れている場所がありました。
水溜まりにはクリンソウが咲いています。
可憐なピンクの花が疲れを癒してくれる。
葉の一部に光が差していました。
幻想的な効果を狙ってパチリ!📸
果たして、絵になったのか???
荒船溶岩のような浸食で作られた
テーブルマウンテンを‟メサ”と呼ぶらしい。
実はこれ(↓)もメサです。
グランドキャニオン。
荒船山→メサ→グランドキャニオン。
ひとつ賢くなりました。😁
今回の荒船山は標高差の小さい
‟らくらく登山”でした。
しかし、コースの表情が目まぐるしく変わって
思う存分トレッキングを楽しむ事が出来ました。
次回はカミサンを連れて来ても良さそうだな。
おしまい。