岩橋千塚古墳群(和歌山県):将軍塚古墳と前山A46号墳 | オヤジのおもちゃ箱

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行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず・・・・・・

 

大日山35号墳の後は

丘陵地の稜線を東側(地図上左側)に移動しました。

尾根道は丘陵のピークですから

前方後円墳が集中しています。

古代の高速道路(紀ノ川)を治める豪族なので

「親ヤマト政権」=「前方後円墳」という式が成り立つ。

もしも反ヤマト勢力が紀ノ川河口を封鎖すれば

物資が政権中枢部に届かなくなりますからね。

 

 

尾根道の前方後円墳の中で

石室の見学が可能な将軍塚古墳です。(↑)

(一枚目の地図の黄色い部分)

全長約42メートルのコンパクトな古墳で

前方部と後円部それぞれに石室が設けれられいます。

 

 

公開されているのは後円部石室のみ。(↑)

 

 

内部に入ります。

これが岩橋式の石室かいな?

大日山35号同様、片岩を小口に積み上げ

石の梁や棚が存在します。

 

 

石室から入り口方面を撮影しました。(↑)

地元の緑色片岩を利用した結果

この様な特徴的な石室に仕上がった訳ですが

小口に板石を積み上げる手法は

朝鮮半島の古墳にも共通するものがある。

地政学的に渡来人との交流が考えられる場所故

半島の文化に影響を受けているのかも ・・・韓国

 

 

尾根道から北側を望んだ図。(↑)

画像中央の帯状に写っているのは紀ノ川です。

 

 

二つの前方後円墳を見学した後は円墳です。

丘陵東側の前山A46号墳に向かいました。

風土記の丘は遊歩道が整備されており

2時間もあれば、ひと通りの見学は可能です。

 

 

上の画像が前山A46号墳の石室入口です。

国の史跡だけあって、よく整備されています。

46号の直径は約27メートル。

 

 

入り口付近に照明のスイッチがありまして

一度押すと暫くの間点灯していますが

オヤジの場合、見学時間が長いのか

直ぐに消えてしまいます。

 

こういう場所を訪れる人はマニアが多いので

点灯時間はもう少し長い方が良いと思います。

 

石室は例によって“岩橋式”と呼ばれる

板石を小口に積み重ねたものです。

石は当然、緑色片岩。

 

梁が4本作られていますね。

 

 

それにしても何故、石室に梁を設けているのか?

恐らく小口の板状の石は軽いので

周囲から圧力がかかると位置がズレてしまう。

下手をすると石室内部を傷める可能性もある。

そこで梁を通す事によって

強化フレームの役割を果たしているのかも?

 

上の画像では梁が側面の石を

押し潰しているのが確認できます。

 

 

羨道の入り口付近はやや狭くなっており

板状の石で扉が作られていたそうです。

緑色片岩は片理に沿って薄く加工する事が容易なのでしょう。

地質によって古墳の作り方も決まる訳だな。

 

人間は大自然の制約の中で

創意工夫をしてきた訳です。

 

 

石室の構造は上の画像のようになっています。

やたらと天井が高い。

 

何気ないように見えるけれど

高度な技術である事は間違いなさそうです。

 

岩橋千塚古墳群の見学を終え

和歌山市の中心部に向かいました。

 

比較の為に同時代の古墳のリンクを貼っておきます。