「ネット空間における同人系即売会」に関する考察(その1)
須々木です。
12月になってしまいましたねー。
さて今回は、現在BOOTHにて開催されているオンライン音楽マーケット「APOLLO」に関連して、
「ネット空間における同人系即売会」について考えていきたいと思います。
※今回はじめての試みであるAPOLLOは、アクセス集中への対策に関する云々がホニャララな感じで(詳細は調べてください)、わりとガッツリとトラブってしまったため、期間が延長され12月1日23:59までとなっております。結果論として事前の対策が不足していたということになりますが、今回はそこらへんを糾弾するのが目的じゃないので、ガッツリスルーします。
まず、件のAPOLLOについてですが、公式による開会宣言的なものを見るのが手っ取り早いので、とりあえず引っ張ってきました。
一部引用だとうまく伝わらないと思うので、ちょっと遠慮なく全文コピペしてしまいました↓↓
様々な公開データが示すように、ここ15年間のうちに、CD・デジタルアルバムの売上は約2分の1に、レコードショップの数は約3分の1にまで減りました。
音楽の未来のために、これからの5年間で、アーティストが「自力でアルバムを販売して稼ぐ」という選択肢を、一つの現実的な選択肢として確立させることが不可欠です。
我々の運営するBOOTHをはじめ、iTunes、Amazon、Bandcampなど、「レジ」になるWebサービスは既に出揃っています。 しかし、「目的もなく訪れて」「大量の知らない作品を見て回る」場所、つまり「売り場」を実現しているWebサービスは、まだまだ不足しているのが実情です。
APOLLOは、M3 やコミケの音楽版を、ネット上で実現してしまおうというプロジェクトです。
ネット上で、リアルの同人音楽即売会のような臨場感を味わえる場を作り出すのは難しいかもしれません。 しかしながらWeb特性上、リアルの即売会に比べて、知らないアーティストの発掘(視聴)については圧倒的に容易です。
皆さんが新しいアーティスト・いままで触れなかったジャンルの音楽に容易に触れ、シーンが広がることを願って、APOLLOの開催を宣言します。
極めて簡潔でわかりやすい趣旨です。
そして同時に、単なる一イベントの趣旨に留まらない、極めて重要なポイントを多分に含んでいるように思えます。
特に、第1パラグラフにおいて、
音楽の未来のために、これからの5年間で、アーティストが「自力でアルバムを販売して稼ぐ」という選択肢を、一つの現実的な選択肢として確立させることが不可欠です。
という、極めて明確な問題意識を提示している点は意義深く、もっと大々的に共有されるべき認識ではないかと思います。
余談ですが、第1パラグラフの言い回しは個人的にはかなり絶妙なものだと思います。
商業的音楽市場縮小の根本原因への言及はまったくせず、印象的な客観データのみ。
そして、データを挙げているにも関わらず、ぶっちゃけ商業音楽を助ける意思があるわけではないと読めます。
書いてあるのは、あくまで「音楽の未来のため」。
冷静に読むと、普通にこれは宣戦布告なのではないかと思えてきたりします。
商業音楽はこんなにヤバい、虫の息だ。
いまこそ同人音楽が音楽業界において存在感を増していくとき。
(「アーティストが『自力でアルバムを販売して稼ぐ』」という表現は、ほとんど「同人音楽」と同義で使っていると思われる)
そして、そこに一枚かませてもらおうか、と。
また、第3パラグラフにおいて、「ネットにおける即売会」の長所と短所を臆することなく提示している点は、今後の進化を感じさせるものでもあります。
客観的な視点から謙虚にこれらを分析することが、克服するための第一歩であることは改めて言うまでもありません。
多面的な分析が欠けているように感じてならない、某ナントカ協会に(以下略
単なる思い付きではなく、大きな流れを見据えた上での宣言であり、これらは大いに賛同を得るに足るものであると感じます。
・・・とか何とか書きましたが、APOLLOの中身に関しては、きっといろんな人がいろんな視点から発言していると思うので、そちらに委ねます。
このブログで考えていきたいのは、もう少し範囲を広げた「ネット空間における同人系即売会」全般についてです。
具体的に挙げれば、以下のようになります。
① 音楽以外のジャンルにも広がりを見せるのか?
② 広がったとして、そのまま定着していくのか?
③ リアルの即売会(コミケなど)にどのような影響を与えるのか?
④ そもそもこの流れは、何を意味しているのか?
①は、今回のAPOLLOは「同人音楽」だったけれど、他のジャンル(漫画とか)をメインに据えた同様の企画が今後開かれていったりするのか? という点について。
「音楽」からスタートしたのはなぜかという点についても、あわせて触れたいと思います。
②は、このような企画が一過性のものなのか、継続性を持っていくものなのか? という点について。
リアルの方の即売会は見事な継続性を見せているわけで、ネットにおける即売会もそうなっていくのか?
③は、リアルとの関係についての考察です。
当然、即売会と言えば、規模でも歴史でも圧倒的なのがコミケ。
そして、コミケ以外にも数えきれないほど大量の同人系即売会が開催されています。
ネットにおける即売会が存在感を増せば、これらリアルにおける即売会にまったく影響を与えないということはないでしょう。
そのような点について考えたいと思います。
④は、さらに大きな流れについて。
そもそも、なぜこのような企画が立ち上がったのかという、その時代背景的な考察。
そして、さらにそのあと予想されるのはどのような流れか?
ということで、順々に考えていこうと思いましたが、結構長くなりそうなので、続きはまた改めてということにしましょう。。
とりあえず、APOLLOの会場でデモとかいろいろ聞いて、雰囲気を味わっておくと良いかと思います(12月1日23:59まで)。
はじまりと終わりのある唯一無二のイベントですから(もちろん入場無料!)。
ではでは~
⇒ つづき。
sho
12月になってしまいましたねー。
さて今回は、現在BOOTHにて開催されているオンライン音楽マーケット「APOLLO」に関連して、
「ネット空間における同人系即売会」について考えていきたいと思います。
※今回はじめての試みであるAPOLLOは、アクセス集中への対策に関する云々がホニャララな感じで(詳細は調べてください)、わりとガッツリとトラブってしまったため、期間が延長され12月1日23:59までとなっております。結果論として事前の対策が不足していたということになりますが、今回はそこらへんを糾弾するのが目的じゃないので、ガッツリスルーします。
まず、件のAPOLLOについてですが、公式による開会宣言的なものを見るのが手っ取り早いので、とりあえず引っ張ってきました。
一部引用だとうまく伝わらないと思うので、ちょっと遠慮なく全文コピペしてしまいました↓↓
様々な公開データが示すように、ここ15年間のうちに、CD・デジタルアルバムの売上は約2分の1に、レコードショップの数は約3分の1にまで減りました。
音楽の未来のために、これからの5年間で、アーティストが「自力でアルバムを販売して稼ぐ」という選択肢を、一つの現実的な選択肢として確立させることが不可欠です。
我々の運営するBOOTHをはじめ、iTunes、Amazon、Bandcampなど、「レジ」になるWebサービスは既に出揃っています。 しかし、「目的もなく訪れて」「大量の知らない作品を見て回る」場所、つまり「売り場」を実現しているWebサービスは、まだまだ不足しているのが実情です。
APOLLOは、M3 やコミケの音楽版を、ネット上で実現してしまおうというプロジェクトです。
ネット上で、リアルの同人音楽即売会のような臨場感を味わえる場を作り出すのは難しいかもしれません。 しかしながらWeb特性上、リアルの即売会に比べて、知らないアーティストの発掘(視聴)については圧倒的に容易です。
皆さんが新しいアーティスト・いままで触れなかったジャンルの音楽に容易に触れ、シーンが広がることを願って、APOLLOの開催を宣言します。
極めて簡潔でわかりやすい趣旨です。
そして同時に、単なる一イベントの趣旨に留まらない、極めて重要なポイントを多分に含んでいるように思えます。
特に、第1パラグラフにおいて、
音楽の未来のために、これからの5年間で、アーティストが「自力でアルバムを販売して稼ぐ」という選択肢を、一つの現実的な選択肢として確立させることが不可欠です。
という、極めて明確な問題意識を提示している点は意義深く、もっと大々的に共有されるべき認識ではないかと思います。
余談ですが、第1パラグラフの言い回しは個人的にはかなり絶妙なものだと思います。
商業的音楽市場縮小の根本原因への言及はまったくせず、印象的な客観データのみ。
そして、データを挙げているにも関わらず、ぶっちゃけ商業音楽を助ける意思があるわけではないと読めます。
書いてあるのは、あくまで「音楽の未来のため」。
冷静に読むと、普通にこれは宣戦布告なのではないかと思えてきたりします。
商業音楽はこんなにヤバい、虫の息だ。
いまこそ同人音楽が音楽業界において存在感を増していくとき。
(「アーティストが『自力でアルバムを販売して稼ぐ』」という表現は、ほとんど「同人音楽」と同義で使っていると思われる)
そして、そこに一枚かませてもらおうか、と。
また、第3パラグラフにおいて、「ネットにおける即売会」の長所と短所を臆することなく提示している点は、今後の進化を感じさせるものでもあります。
客観的な視点から謙虚にこれらを分析することが、克服するための第一歩であることは改めて言うまでもありません。
多面的な分析が欠けているように感じてならない、某ナントカ協会に(以下略
単なる思い付きではなく、大きな流れを見据えた上での宣言であり、これらは大いに賛同を得るに足るものであると感じます。
・・・とか何とか書きましたが、APOLLOの中身に関しては、きっといろんな人がいろんな視点から発言していると思うので、そちらに委ねます。
このブログで考えていきたいのは、もう少し範囲を広げた「ネット空間における同人系即売会」全般についてです。
具体的に挙げれば、以下のようになります。
① 音楽以外のジャンルにも広がりを見せるのか?
② 広がったとして、そのまま定着していくのか?
③ リアルの即売会(コミケなど)にどのような影響を与えるのか?
④ そもそもこの流れは、何を意味しているのか?
①は、今回のAPOLLOは「同人音楽」だったけれど、他のジャンル(漫画とか)をメインに据えた同様の企画が今後開かれていったりするのか? という点について。
「音楽」からスタートしたのはなぜかという点についても、あわせて触れたいと思います。
②は、このような企画が一過性のものなのか、継続性を持っていくものなのか? という点について。
リアルの方の即売会は見事な継続性を見せているわけで、ネットにおける即売会もそうなっていくのか?
③は、リアルとの関係についての考察です。
当然、即売会と言えば、規模でも歴史でも圧倒的なのがコミケ。
そして、コミケ以外にも数えきれないほど大量の同人系即売会が開催されています。
ネットにおける即売会が存在感を増せば、これらリアルにおける即売会にまったく影響を与えないということはないでしょう。
そのような点について考えたいと思います。
④は、さらに大きな流れについて。
そもそも、なぜこのような企画が立ち上がったのかという、その時代背景的な考察。
そして、さらにそのあと予想されるのはどのような流れか?
ということで、順々に考えていこうと思いましたが、結構長くなりそうなので、続きはまた改めてということにしましょう。。
とりあえず、APOLLOの会場でデモとかいろいろ聞いて、雰囲気を味わっておくと良いかと思います(12月1日23:59まで)。
はじまりと終わりのある唯一無二のイベントですから(もちろん入場無料!)。
ではでは~
⇒ つづき。
sho