『KING COBRA』のレビューで、クリスチャン・スレーターが、突然亡くなった「リバー・フェニックス」の変わりに出演した、とブログに書いてから、映像を観たくなって久しぶりに見ました。

映画の公開は1994年。24年も前なんですね~びっくり
監督はニール・ジョーダン。原作はアン・ライスの『夜明けのヴァンパイア』です。当初主演のトム・クルーズを嫌がってたみたいですが、作品が出来上がったとたん、大絶賛したらしいですね。
だってそれはそれは美しいキラキラトム・クルーズ」、「ブラッド・ピット」や「アントニオ・バンゲラス」がお耽美な「ヴァンパイア」になってますもの赤ワイン
夜のサンフランシスコのある建物の一室。
野心家のライター・ダニエル(クリスチャン・スレーター)は、ある謎めいた黒髪の美しい青年ルイ(ブラッド・ピット)に、テープを準備しインタビューを始めます。
「私は、ヴァンパイアだ」
「本当の意味で?」
「私の闇の人生を、語ろう」
ルイは、200年もの間永遠の命と共に生きてきた。その驚くべき物語を語り始めます。

18世紀末、ニューオリンズで妻と娘を同時に失った失意のどん底にいたルイに、興味を持つ男がいました。
悲しみで自暴自棄になったルイは、誰にどのように殺されようと、死を恐れていませんでした。
そこで美しく妖しい男が、ルイをずっと見ていました。
レスタト(トム・クルーズ)と名乗る男。
彼は「ヴァンパイア」
ルイに襲い掛かり「このまま死ぬか、永遠の命を生きるか」と問います。
人間的に弱く繊細なルイに魅力を感じ、永遠の命を授ける換わりに、自分の仲間(永遠の伴侶なんだけどねラブラブ)として生きるか、このまま人間としての死、かを選択させルイは、ヴァンパイアとして生きる事を選びます。

「十字架は見れる」
「心臓に杭は?」
「それは迷信だ」
「棺は?」
「必需品だ、眠るために。そして血も。激しい空腹で目が覚める」
レスタトは毎夜、街に出ては当たり前のように人の血を吸い、殺していきますが人間の心を残したルイは、小動物の血で辛うじて我慢します。「殺したくない」
「古い道徳は捨てろ」
レスタトのメインディッシュは、美少年。社交界が、格好の狩り場です。


しかし限界が来たある日、ついにルイは黒人メイドの血を吸い殺してしまいました。
罪に苛まれた彼は、恐れて暴れる奴隷たちにここは悪魔の館だ皆逃げろ、と言って屋敷に火を放ち死のうとしましたが、レスタトに救い出されました。

宿無しとなってしまった二人。
ニューオリンズで、部屋を借ります。次々と血を吸い殺人を犯すレスタトは、ルイにひたすら人間の心を捨てさせようとするのですが出来ません。

ペストの流行する街中でルイは、ある少女と出会います。母を亡くし独りぼっちの彼女。「甘い罪悪感を味わえ」
ルイは少女の血を吸い、また罪悪感を感じます。
「苦しみ続けたいか?」
「いや」
「では、本能に従え。贈り物がある、一緒に来てくれ」
レスタトは、そのクローディア(キルスティン・ダンスト)をヴァンパイアにし、娘の様にルイの側に置きました。
少女は無垢であり、本能のままに行動します。「ママは天国に行ったんだよ。お前は私とルイの娘だ」
「悪魔め」
「素敵な家族だ」

インタビュアーのダニエルは、テープを替えました。

ルイと共にまたレスタトもクローディアを愛しました。彼もルイよりもっと長い孤独に耐えてきたのです。
子供特有の貪欲さで、人の血を吸い殺人を続けるクローディア。レスタトにとって彼女は優秀な生徒でした。
月日はあっという間に過ぎて合衆国になり、彼らは米国人になっていました。
クローディアは、大人の女性に憧れていきます。「あのひと素敵。私もいつかああなれる?」
「ルイの感傷癖が移ったな」
しかし自分自身は年も取らず、外見は永遠に少女のままです。「なぜ私だけ…」頭の中だけで大人の女性になっていくクローディア。
「いつまでも人形の様に扱って!誰?どっちが私をこんなにしたの?」
怒りをぶつけるクローディア。レスタトは「俺だけの力さ、感謝しなきゃ」
ルイは彼女に本当の事を教えます。
「私は大人になれないのよ、彼を憎むわ」
クローディアは、全てを知ります。ヴァンパイアになった事を。
しかしクローディアは、ルイの元へ帰ってくるのです。「永遠に離れないわ、でも彼からは離れるのよ」
クローディアはアヘンで殺した美少年二人を、酔っ払わせたの、とレスタトに仲直りの証だと差し出します。
死者の血を飲むのはヴァンパイアにとっては、命取りでした。それを彼女に教えたのはレスタト。彼の首を切り裂き、レスタトを湖に沈め、ルイと共に逃げるクローディア。「二人の為よ、自由だわ」

「悲しかった、彼しか知らなかったから。僕たちは孤児同然になった」
しかし、レスタトは生きていました。おぞましい姿になっても、命は尽きないのです。
「ミシシッピーのあらゆる生き物のお陰で…」
ルイは、ランプを投げレスタトを炎で屋敷ごと焼きました。

ルイとクローディアは自分達同類に会うため、船で渡欧します。そして村から村へ仲間を探して旅をしました。
ニンニク、杭、十字架なんか迷信だ。痕跡はゼロだ。ドラキュラ伯爵はフィクションだ…

1870年9月パリ、諦めかけていたとき、向こうから仲間が現れたのです。
ヴァンパイア劇場支配人のアーマンド(アントニオ・ヴァンデラス)
「彼女と来たまえ、害を及ぼす様な事は無い」
劇場で同類を見る、ルイとクローディア。彼らはヴァンパイアを演じるヴァンパイア集団。

「ひどい…」
劇場での惨劇に、目を背けるルイと観客たち。
地下は、ヴァンパイアの住みかになっていました。「我々は滅びつつある」
「善悪は無いと?」
「これが唯一の悪だと。神の事は何もしらん。悪魔の事も、呪いも救いも。400年生きているが何も無かったよ。世界で私が最年長だからね」
僕はふいに思った、レスタトを誤解していたと。
死に値する罪は、仲間を殺す事だ。
アーマンドは共に生きる相手を探していました。そしてルイを見つけたのです。
「 ルイを放せ、手放せと私の心に言っていたわ。そうすべきなの?私のパパ」とクローディアは言いました。

ヴァンパイア劇場の地下で話すルイとアーマンド。
「彼女は危険だ。幼子を仲間にする事は禁じられている、生きていけないから」

「一体、何人が不死に耐えられる?世界は変わる、だがそこに皮肉が生じ自滅する」
「どんな時代にも馴染めずにいる」
「君が堕落していくように時代も堕落していく。人間の魂を持ったヴァンパイア、つまり君は美しいんだよ、レスタトは正しかった」
アーマンドなら正しく導いてくれる、とルイは安心したのです。

クローディアは、新たなパートナーを作ろうとしていました。大人の女性を連れています。しかし幼い彼女には、最後の留めを刺せません。ルイに願いますが、「何て愚かな事を」と窘められ、クローディアは「私を作ったくせに❗」

思わず涙する、ルイ。
「泣いてもダメよ、でもあなたを愛してる 」
 その女性は、娘を亡くしていました。ルイによってヴァンパイアになり、クローディアの母になりたいと。
しかしルイは、人間としての死しか与えませんでした。クローディアに「これで、おあいこだ。死んだのは僕の中の人間だ」

突然、ヴァンパイア劇場の者達に連れさられる3人。
棺と共に壁に埋め込まれるルイと、閉じ込められたクローディアと女。満月の光が彼女達を照らします。
アーマンドに救い出されるルイ。「君を失いたくない」クローディア達は、灰になっていました。
怒りに震えるルイ。「来るんだ、抑えろ」

「あの復讐は、涙を抑える為だった」
ルイは、劇場のヴァンパイア達を火の海に沈めました。逃げるものは、鎌で首を切って…
アーマンドが馬車で迎えにきました。
「彼らは君を信頼していた」
「連中は美しくない。ヴァンパイアは強く美しく後悔せず。彼らはそうではなかった」 
「僕の嘆きを理解出来るか?彼女を失った嘆きを。君が殺したんだ」
「ルイ、力をくれ」
「そうさ、何も後悔しない、それが生きる道なら君には頼らない。再び活力を得る為に、僕が必要なんだろう?それなら僕は拒否する」
ルイはアーマンドを残し、何年も放浪しました。
米国に戻ったルイは、映画という文明で懐かしい太陽と、海の青を見ました。200年ぶりの事でした。

1988年ニューオリンズ。
死臭を感じたルイは、ある古い屋敷に入ります。「ルイ、よく来てくれた。この日をずっと待っていたんだ」
そこには、朽ち果て様とするレスタトが…
「相変わらず美しい」
「怖がるな、なにもしない」
「誰も僕を拒めなかった」
もがいていた、もがけばもがく程、手放したくなくなる。お前が居てくれれば戻れるんだ、昔のレスタトに。
ルイは、レスタトをその場に残し去ります。

「彼とはそれきりだ。夜を生き続け人を襲った。呪われた肉体だけだ、変化せず空虚な」
話を聞き続けていたダニエルは、魂を捕らわれていました。
「空虚だなんて終わり方は許せない。君と同じ経験が出来るなら僕は何でもするだろう❗」
冷静になれ、と諭すルイにダニエルは、学ぶには君と同じヴァンパイアになるしかない、是非そうしてくれ、君の仲間に!
ルイはダニエルの首を押さえつけ、
「人を食って行きたいか?死にたいのか?!」
そう言うとルイは、あっという間に姿を消しました。
急いで車に乗り、ダニエルは録音したテープを聞いていました。
突然、後ろから首を捕まれるダニエル。そこにはレスタトが!!
「自己紹介は無用だな」
そして、ダニエルの血を吸い甦ったレスタト。
「まだぼやいてやがる。選ぶのは君だ、ルイのように」
レスタトの運転する車が、道路を走っていきます…



何ともお耽美で、美しい映像作品キラキラ

人たらし、ヴァンパイアたらしの「ルイ」
美しいのは勿論ですが、人間の心を失わないヴァンパイアであり続ける姿が、自分の物にしたいという欲求を掻き立てるのでしょうか。

そして、ずっと孤独だった「レスタト」
ルイが欲しくて欲しくて堪らないのに、手に入れられない。彼の力なら仲間を増やし帝王にさえ成れるのに。ルイだけに執着するが故に、長い間また孤独の中に。ルイだけが自分に相応しいと思っていたのですねおねがい

永遠の少女「クローディア」
身体は成長せず、精神だけが大人になるなんて、何とも切ないですショボーン

最後に、リバーが演じていたはずの「ダニエル」
クリスチャン・スレーターによって少しお耽美感が落ちましたが、ヴァンパイア、いやルイに堕ちていく感じは、腐女子心を刺激しますね~音譜


結論、ヴァンパイア映画は、美しくなくっちゃねキラキラキラキラ