10月17日(土)
どうやらこれは風邪だ、風邪をひいてしまったようだ。のどの痛さに加え、意識が少しだけどぼうっとしている。帰宅した昼過ぎからはほとんど動かず、テレビでサッカーを観たり横になってラジオを聴いてうとうとしたりしていただけだが、あまりそのときの記憶がない。ともすればあれは夢であったかと思えなくもない、そんな不思議な心地。
▽▽▽
我らがヴィッセル神戸、残りの対戦カードを見ればとりあえず取りこぼしは許されない今日のアウェイ決戦、対モンテディオ山形、それを0-1で落としてしまったあれは、どうか夢であってほしいのだが、自分の意思とは裏腹に、絶えず世界は回りつづけている。
▽▽▽
負けてしまったのは事実、今季の戦いを象徴するように、苦手とするアウェイでの試合だったからと今は割り切って、まだホームで3試合残っているという楽観的思考でいくべきか。今季の神戸は、たとえほとんどの時間消えていても一瞬で仕事をするような外国人選手に期待できないだけに、疲れが色濃く出はじめる試合終盤にリードを奪われたまま突入すれば、まだ時間が残っているにも関わらず終戦のムードが漂ってしまっているように見える。
▽▽▽
このままでは来季、とりわけFW陣の刷新は規定路線だろう。だけど、そうだからこそ早いうちに残留を決めて、今より少しは気持ちにゆとりが生まれたら、もう一度だけでも放出候補の選手にチャンスを与えてあげてほしい。もちろんチームが強くなる即戦力の補強は望むけれど、一度迎えいれた選手ならば一年やそこらで容易く放出するのは道理に反していることのように思われる。給料をもらう以上はフロントが期待する能力をチームのために遺憾なく発揮してもらうことが大前提で、それができなければ当然の報いとして解雇があるのは分かるけれど、あらゆる事情(サポーターや対戦相手への敬意、目標順位の追求など)の許容範囲内で、解雇する前にもう1プレーでもその選手の良さを見て、願わくば再考する機会を設けてほしい。「勝負の世界は甘くない」という言葉だけで済ませてしまうのは好きではない。だけどそれはほんとうだとも思う。だから――もちろんそんなことはしないと思うが、情で出場機会を作ってあげるのではなく、選手自身の奮起でその機会を掴んでほしい。そういう選手が出てきて、だけど仮に結局は翻意には至らずそのまま解雇という形になってしまったとしても、そんな選手ならばボクはきっとその選手の応援をつづけるだろう。とにかく不遇を味わっている選手には、最後の奮闘を見せて試合に出場するところまで這い上がってきてほしい。そのためには、チームができるだけ早く残留を決めることだ。
▽▽▽
気づけば毎秋の風物詩として定着してしまっている「ヴィッセルの残留争い」。上への期待(優勝やアジア・チャンピオンズ・リーグ:ACLの出場)や下の心配(J2降格)のない中位に位置し、残り数節が消化試合となるよりかは刺激的でおもしろいと言えばそうなる。しかし毎年降格しまいか胸をそわそわさせる秋の日々もそろそろ終わりにしたい。Jリーグはいわゆる「ビッグ4」や「二強」という存在がないことで知られる(あるにはあるが、本場よりも傑出していない)。今季もまた順位表を見れば、とりわけ上位にはほとんど勝ち点差がついていない。中位のチームもACL出場圏内となる3位以内は十分狙える位置にある。下位とて、現在降格圏の3チームはその上のグループにほんの少し離されてはいるものの、ボクがそのグループの真っ只中にいるヴィッセルの心配をしているということはつまり、まだまだ降格の心配は大いにあるということ。要するにJリーグは非常に拮抗したリーグだといえる。
▽▽▽
上位に進出できるか下位で「降格」の二文字の重圧に恐れながらくすぶるかは、ほんの少しの違いだと思う。その違いを持っているかどうかは、チームの歴史など一朝一夕には埋められないものにあるのだろうが、指揮官の交代やひとりの選手の覚醒など、ほんのちょっとの変化で良くも悪くも来季の順位は大きく変わってくる。だからJリーグはおもしろいのだろう。
▽▽▽
とにかく残り5試合となったヴィッセル神戸には、一刻も早く残留を決めて、そして次なる目標順位を目指せるようになってほしい。そして最後にやっぱり強く思うことは、今はまだ分からないけれど来季のチームの戦力外とみなされている選手には、まずは練習でもう一度その本来の実力を発揮して、見返してやるほどの気概を見せつけて、試合の舞台で観衆を驚かせてほしい。期待しております。サッカーの話だけになってしまった……。