2000年代前半、少年チャンピオンで連載されていた「虹色ラーメン」のレビュー。2回目は「ラーメン甲子園」を軸に物語が展開されます。

第1期:イントロダクション(1~4巻)
第2期:ラーメン甲子園(5~8巻)(今回)

 全国のご当地ラーメンとの対戦を通じ、ラーメンとは何かを確認する。
第3期:麺王杯・前編(9~12巻)
 敵となった神宮寺グループからの刺客が、榊太陽を狙う。
第4期:裏切りと信頼と(13~15巻)
 謎の転入生皇朔夜と、後輩の久保隼人が太陽を追い詰める。一方で共通の敵との闘いでの和解へ。
第5期:父との最終決戦(16~18巻)
 父であり最強のラーメン職人、神宮寺雷蔵との最終決戦。
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 5巻から8巻の連載は、2001年12月から2002年9月にかけて。この時期はサッカーワールドカップが日韓共催で開催されていた時期です。ここで描かれた「ラーメン甲子園」も、総当たり予選リーグを勝ち上がった上位8人がトーナメントを競ったり、決勝地が横浜国際総合競技場だったり、甲子園と言いつつワールドカップです(笑)。このあたりは、作者の馬場民雄さんがこの作品の前にサッカー漫画「やんちゃゴール」を描いていた事も影響しているのかもしれません。
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 その「ラーメン甲子園」の予選リーグを前に、美形キャラの鳳レイ(南陵高校)が登場。榊太陽を「スープ屋」と呼ぶあたりは、当時自家製麺に目覚めた「支那そばや」の佐野実氏が、「スープを作って麺を作らないラーメン店主は"スープ屋"だ」と発言していたあたりに繋がっていそう。鳳の麺の味に榊は打ちのめされます。

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 初戦の相手は、佐野ラーメン店の三代目、藤原秀郷(浅沼高校)。青竹打ちの麺を背脂チャッチャ系のスープと合わせ、若者向けを狙った藤原に対し、榊と赤城は手延べの「拉麺(ラウミェン)」で対抗。佐野の水を活かした麺で好評を博し、敵地での初戦を制し、藤原の目を覚ますことができました。

 

 

 二戦目は鳳が相手。榊も幻の小麦を使った麺づくりに成功するが、スープとの相性も考えた鳳が圧勝。予選リーグの行方を決める三戦目は、飛騨高山ラーメンの金森長近(天領高校)の地元へ。金森は、昼と夜で味が変わる高山中華そばの特性を武器に一発逆転を狙うが、丁寧に作り続けた榊が辛勝し、予選リーグを2位で通過しました。

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 決勝トーナメントを前に、榊たちは2年生に。ラーメンマニアの久保と、生徒会役員を姉に持つ杉の2人が後輩に。一方で赤城がバイク事故、長谷川が生徒会に移って、新入生も早速榊のサポートに。

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 準々決勝では、山形赤湯の辛味噌ラーメンの八幡義綱と対戦。勝ちを狙う八幡は、100人の審査員のうち、先攻で食べる50人には激辛の唐辛子を使い、後で食べる榊の味を麻痺させる事を狙う。それに気づいた榊は、原田が持っていた「冬瓜」をラーメンに乗せ、舌を冷ますことに成功して勝利する。

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 続く準決勝では、久留米ラーメンの有馬純太郎と対戦。「どトンコツラーメン」に度肝を抜かれた榊は、これを食べた後でも味が分かるようにと、後攻になる審査員には柚子と魚介を強めたラーメンを提供する。試合には勝利したものの、味を変えた事に、ライバルの乾と鳳は失望を示しました。有馬から直接「ラーメン職人やなか!」と言われた榊は自分を見失ってしまい、ラーメン部に顔を出さなくなってしまいます。

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 決勝戦を前に、「ラーメン甲子園」に出る目的は、自分が好きになった与田さんのラーメンを出す事だと再確認した榊だが、入院して体調を崩した与田からは「オレの作った昨日のラーメンなんか忘れて、おまえたちは明日のラーメンを作るんだ」と言われる。その時の、榊のこのセリフは好きなんですよね。

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 嵐の中作ったラーメンが与田さんを回復させ、榊も自分を取り戻して決勝戦へ。高級素材をふんだんに使った鳳の塩ラーメンと、与田さんから受け継いだ榊の醤油ラーメン。投票結果は完全に同点で、特別審査委員長として神宮寺が登場。鳳のラーメンが5000円以上するもので「ラーメンを越えてしまった」とし、榊を優勝させる。
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 鳳は実は女性だが、男装してラーメン甲子園に出場していた。ラーメン職人だった母が失意のうちに亡くなっていて、その復讐を目的が目的だったが、神宮寺はその誤解を解くことで、鳳の復讐心を打ち消した。(2002年頃、ラーメン店における若い女性職人は今よりも少なく、女性を下に見る傾向は残っていたと思う)。一方で、神宮寺は優勝した榊に神宮寺グループ入りを打診するが、榊は拒否。そこで神宮寺は、榊に自身が父親である事を明かす。

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 連載当時、師匠が「与田」という名前で想像していた人はいましたが、このコマで「スターウォーズ」の影響を受けている事がはっきりしました。これ以降、榊の行く手に神宮寺グループのラーメン店が立ちふさがっていく事になる。