ミッドウェー海戦の敗戦から何を学びますか? | 【らくーん別邸】蓬莱山チャンネル~1カ月で体調がグイグイ回復

ミッドウェー海戦の敗戦から何を学びますか?

ミッドウェー海戦とは、

太平洋戦争におけるターニングポイントの戦い。

日本は、この戦いの敗戦により

その後も、負け続けることになります。

 

敗戦の10の要因

1💀情報の軽視

2💀兵站の軽視

3💀敵の兵力を軽視

4💀組織の問題

5💀最初に作った作戦に固執

6💀焦り

7💀指揮官の状況判断ミスと決断の失敗

8💀過信

9💀前回の問題点および反省を生かしていない

10💀情報を正しく伝えていない

 

それぞれ補足します。

1.情報の軽視

 戦艦による見える戦いから、空母による見えない戦いへ

 戦い方が変化した。

 敵の戦力の情報が十分ないまま作戦を決行。(想定の甘さ)

 実は、日本の暗号は米に解読され行動が読まれていたので

 こちらは奇襲をかけるつもりが、逆に万全の態勢で待ち伏せされる。

 日本は暗号解読の分野で先を越されていた。

 読まれるはずはないという過信もあった。

 正々堂々戦うことを美徳とするプライドをもっていた。

 ※源平合戦で平知盛が負けた歴史を学んでいるのか?

 ※諸外国の「戦い」のルールは、 

  卑怯と思われる手や騙したとしても

  とにかく「勝つ」ことが大事

 

2.兵站の軽視

 この戦いのみならず、

 兵站、補給路確保が維持できなかった

 日本が「外」に攻めていった時の、いつもの負けパターンです。

 ※秀吉の朝鮮遠征時もそう、古くは白村江の戦いの時も同様。

  インパール作戦の失敗も同様。

  海をまたぐor広範囲の領土だと補給の戦略的確保が難

 

3.敵の兵力を軽視

 敵の力を軽く見積もって失敗。

 日本は全勢力(全戦艦)を投入せず、なめていた面がある。

 一方、米は今使える戦艦をかき集め、ココを最大の勝負処とみて

 すべてを集結させぶつけてきた。

 マレー作戦まで快進撃を続け、連勝していた日本は

 傲慢になっていたし、油断していた。

 少し手を抜いて、ちゃんと偵察もしていなかった。

 索敵が粗く、敵の空母を見落とし、最初の発見がかなり遅れた。

 ※空母戦では先に見つけて攻撃した方が圧倒的に有利

 

4.組織の不統一と目的非共有

 命令系統が統一されていない。

 軍令部と連合艦隊はバラバラだった。

 組織の目的・最大標的がちゃんと

 統一されていなくて、しかも下に伝わっていなかった

 

5.最初に作った作戦に固執する

 想定の甘い楽観的かつ自分勝手な見積もり。

 自己満足の机上作戦を計画し実行。

 (日本人らしく)細かい職人的技巧技に走り大局観が不足。

 シミュレーションが足りないまま作戦決行。

 実践経験のない参謀が机上の作戦をつくる。

 実際の平民の生活をしらない上級国民である指揮官は

 都合のいい無責任な机上の作戦を立てる。

 敵は、こちらが思っている以上に毎回の戦闘結果を

 合理的に研究し、戦い方を変化させてきた。

 状況にあわせた作戦変更をしないと負ける。

 

6.焦り

 当初から短期決戦をもくろんでいた(長期戦は日本に不利と承知はしていた)。

 米のすさまじい工業力を山本は留学していたので実際に見て知っていた。

 米の急速な建て直し→反撃を恐れ、時間の切迫感がかなりあった。

 図上演習での戦いのシミュレーションは一応行ってはいたが

 焦りと時間がないという理由で

 大事な作戦の修正や見直し等は行われなかった

 

7.指揮官の現場での判断ミスと決断の失敗

 (※戦略と戦術両方とも失敗)

 真珠湾攻撃での奇襲作戦の一応表面上の成功により

 再び奇襲作戦を決行しようとする。

 真珠湾攻撃自体が、仕組まれはめられた感がある。

 (奇襲作戦に1度成功すると、また同じ成功体験にすがりたくなる。

 しかし、相手は同じ手を食わない)

 ※昔から日本は少ない人数での奇襲作戦で一発逆転を狙うことが

  後世に語り継がれる素晴らしい戦略とみなす節がある

 例 源義経一の谷の合戦、桶狭間の戦いなど

 トップの権力が強く、その指示に誰も逆らえない、止められないのは問題。

 (例 宇垣の甘い想定を誰も批判できない、南雲、山本の意見が絶対通る)

 日本の艦隊はひと固まりで航行していたため、

 敵にすべての艦がすぐ発見され

 一網打尽に集中攻撃を受けた分、被害も大きくなった。

 対空母用爆弾⇔陸上用爆弾の積み替えの判断も誤る。

 (1刻1秒を争う戦闘時に、時間をかけて爆弾の積み替えを行った

 →防御がおろそかになり、敵に先制攻撃を許した

  大失敗をした司令官は作戦失敗の責任をとらなかった

 ※日本は、責任をとらないでなあなあに誤魔化し体質を継続

 ※一方、米の軍令は責任を明確にして厳しく対処&左遷した

 

8.過信

 根拠のない自信過剰。過信が海軍にあった。

 3の”相手を軽視すること”につながる

 

9.前哨戦での問題点および反省を生かしていない

 前哨戦である「珊瑚沖海戦」の経験を生かしていない。

 日本は敗戦の十分な研究と対策を怠った。

 想定が甘い(敵の想定と研究はもっと上)

 ※米は珊瑚沖海戦の後、戦略戦術を練りなおし、対策をよく研究していた

  米の建て直し力(反省→改善→問題点克服)はすさまじく日本より早かった

 

10.情報を正しく伝えていない

 都合の良い情報だけを上司へもっていった。

 戦果を”盛って”報告する日本軍。虚偽報告も行う(特に、台湾沖海戦時から)

 現場の指揮官の意見進言も上に届かず

 お上の勘違いした机上の作戦が実行され続ける。

 国民にも都合のよい情報しか流さなかった。メディアにも問題あり。

 敗北や都合の悪い事実を隠す

 正しい情報を流さず、印象操作&情報統制が行われた。

 マスコミ・メディアも迎合し、自分たちが売れれば良い

 という方針で都合の良いことだけを言った。

 ※一方、米は情報を逐一報告を徹底させ

  相手を研究し暗号解読にも予断がなかった

 

<各戦闘の要点>

真珠湾攻撃→空母を沈められなかった。大打撃を与えられなかったという意味で失敗

マレー作戦→イギリス側に油断があり日本をなめていた、

         日本の練度も高かったので日本の勝利

      ※ちゃんとした戦闘態勢ができていない相手に対しては日本は快進撃を続けた

💀インパール作戦→ 兵站作戦失敗、補給路絶たれる、机上の作戦通りにいかず

第一次ソロモン海戦→相手の輸送船を攻撃して潰さなかった痛恨のミス

             非常に重要な目標を取りこぼした

第二次ソロモン海戦→目標見失う(目標設定が最初から中途半端)

           ※第一次と一緒で最大の目的が全員に共有されてない

💀第三次ソロモン海戦→日本は以前成功した同じ攻撃・作戦を試みる→通用しない

             行動は全部レーダーで米に読まれていた

            →日本は暗号が読まれている等思っていない

             攻撃目標が定まらず陸上用爆弾を装填していた

             海軍と陸軍は意見がわれて協力できず

             ライバル意識をもち、予算を取り合う

💀ガタルカナル島撤退判断が遅い、マンパワーの投入を少しずつケチった

           兵站問題で失敗、食糧物資不足

          (簡単にやめると言えない保身と意地プライドのぶつかりあい)

キスカ島撤退作戦→濃霧の中成功。

           陸海軍の協力でプライドより共通目的を優先し合理的に判断できた

💀ニューギニアの戦い→陸戦:情報不足(地図・地形情報なし)

           準備不足のまま陸軍進軍で失敗

💀ビスマスク海戦→連合軍の研究しつくした反跳爆撃(側面攻撃)にやられて敗戦

💀い号作戦→一発逆転を狙うも大失敗。

       ※追い詰められて一発逆転を狙う作戦は無理があり、多くは失敗する

        零戦の最強神話が崩れる、ベテラン搭乗員が不足 マンパワーの不足

        米は零戦の弱点を徹底研究し、量と作戦で圧倒した

💀ニューギニアの戦い2→連合軍の飛び石作戦にやられる

           守りの弱いところを重点的に狙われる、補給なし食糧も弾もない

           日本軍はそれでも撤退しなかった→飢餓と気候と病気との戦い

💀台湾沖海戦 →上層部へ幻の戦果を盛って報告 

          本部は作戦判断を誤る ※正確な情報伝達の重要性

💀レイテ沖海戦→ルソン島からレイテ島への無理な防護なしでの移動を強行し失敗

          多くの人と物資失う

          通信手段も破壊され連絡もうまく取れず

 

<今の日本はどうだろう?>

敗戦にすべての教訓が詰まっていると言われるが、

その通りだと思います。

 

敗戦時から、日本の上層部がやっていることは

本質的に何も変わっていないのではないか?

歴史や過去から教訓を本当に学んでいるだろうか

 

原発の時もそうだし

今のオリンピック対応コロナ禍の対応時も

同じような問題が繰り返し浮き彫りになっている。

 

想定が甘いため想定外が頻発

(大打撃を与えてから講和する甘い作戦なんて最初から無理)

シミュレーションができていない(あるのは楽観すぎる甘い予測のみ)

撤退判断が遅すぎる

独りよがりの作戦への固執・強引決行(状況に合わせた作戦変更ができない)

情報不足&準備不足

作戦失敗しても無責任体制(国民にしわ寄せ)

指令部は保身と意地・プライドの小競り合い 

 (一部の上層部による既得権益の取り合いとしがみつき)

傲慢と油断

 (国民への適切な救済や補給がない、補給路は確保されず自滅容認)

現場の苦痛の声が、上層部に届いていない(聞いて聞こえないフリ、もみ消し)

指揮統制がされていないのでバラバラ、勝手に動くものもでてくる

戦略を持っていないし戦術の変更すらできない

大局観の欠如で目先の戦闘しか見えていない(焦りが強すぎ)

ちゃんと1つの目標達成にまとまっていない

 (セクショナリズムで一丸となっていない→組織弱体)

国民に正しい情報が伝えられてないしちゃんとした説明もない

 (都合のいいようにしか情報を流さない「偏向情報統制」)

正確に現場・現状を把握せず隠蔽(PER検査、感染者数、クラスター)

などなど

 

昔から存在し続ける日本の問題点を

今もなお全く改善ができておらず

同じ過ちを繰り返し続けている。

 

失敗の基本3原則

①情報不足 ②慢心過信 ③思い込み

 

これらをもう少し拡大すると

上記の10の敗戦の要因につながると思います。

 

戦争当時も、現況(戦況)を全体的に

正しく捉えて進言する人もいた。

ミクロでは優秀な日本人はたくさんいた。

内閣総力戦研究所などはいい例。

 

しかし、人事組織の硬直化が根本にあり

トップが暴走(近衛文麿など)

結局、左遷されたり、はねのけられて、もみ消されてしまい

間違った方向にどんどん指揮がとられ

上層部は国民にいい顔がしたいしプライドも高かった。

(ポピュリズム)

情報統制により上から正しい情報が

国民に伝えられていないという構図は

現代も本質部分は変わっていない。

 

キョロキョロ

トップ・リーダーは、

間違った方向に勝手に行動する者がもし出てきたら

それを何が何でも制止する力を持つこと。

一方で、トップ・リーダーが過ちを犯す危険性が

あるならすぐに国民がそれを制止できる「仕組み」

やめさせる仕組みこそ、法律上も必要になってくると思います。

組織がうまく機能するには「相互牽制」が必要なのです。

 

せめて望むことは次の3つ

★ 戦略とシナリオをいくつか持ち、方針基準をきちんと提示して欲しい

★ 国民が納得する形で、現状とビジョンの説明をきちんとして欲しい

★ 刻々と変化する現場の状況をちゃんと把握し適切迅速に対応して欲しい

 

<今の状況>

補給・支給がない状態で、

戦うための武器も渡されず、

「ただやるんだ!進むんだ!」の1点張りで

リスク管理せず、アクセル踏んできただけ。

 

戦略や基準も示されない暗闇と不安の中、

「竹やりだけもって玉砕覚悟で突っ込め!」

と言っているのと同じです。

 

現場で次々と敵にやられて

犠牲者が増えていっても

適切な補給は行われず

何1つ有効な対応策や作戦すら出せずにいる。

 

効果がないのに単純な同じ作戦を繰り返す行為は

日露戦争における旅順攻囲戦の激闘を彷彿させる。

 

あの時も、最初敵をなめ切っていた。

同じやり方にこだわり、ただ突撃前進を繰り返し、

ハチの巣のようにやられて多大な犠牲者を出した。

 

>日露戦争とインパール作戦

 

賢者はいつも歴史から学ぶ。

歴史からもっと学ぼう!

同じ失敗を繰り返すのはもうやめよう!

 

 

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