今日は地元(茨城)の県会議員選挙に行ってきました。
うちの選挙区は立候補者2名。
どちらもイマイチな感じだったけど、自民党だけは絶対に許せないので対立候補に投票しました。
いつもは女性声優さんのお誕生日を記事にしているブログですが、久しぶりに政治関係の記事です。
どの候補も気に入らないという場合、「鼻をつまんで」誰かに投票するか白票をいれるか議論になることがありますね。(または、棄権するか)
選挙では「どうしても当選させたくない」候補がいる場合はその対立候補に投票するのがベターな選択になります。
白票については過去にも2回ほど記事を書いたことがありました。
【政治・社会】白票に意味なんかあってたまるか 2022年7月2日
【政治・社会】白票の真実 2022年7月9日
まず選挙制度の大前提として、
当選者は有効投票で選ばれる
という事実があります。
白紙投票(いわゆる白票)は無効票なので当選者の選出に寄与せず、選挙に参加したことになりません。
よく
「投票率を上げるために白票でもいいから投票に行こう」
のような書き込みをTwitterなどで見かけますが無意味です。
「投票率が上がって白票が多ければ政治家が危機感を持つのでは」
みたいな意見もあるようですが、そういうことにはなりません。
どれだけ投票率が低かろうが当選者が有効票で選出される以上、政治家さんたちは一向に改心(笑)しないでしょう。
ぶっちゃけ投票率が一桁台でも、残念ながら選挙は普通に成立します。
もっとも、あまりにも投票率が低い場合は各候補者の得票が法定得票数に届かなくて再選挙になることはあるかもしれません。
つい最近も東京都の品川区長選でそのような事例がありました。
東京なんて人口が多いだろうに、みんな選挙に行かないもんだからそんなことになっちゃったりするわけです。
民主国家の国民として、とても恥ずかしいことだと思うんですけどね。
では具体的にどれだけ投票率が低いと再選挙になるのか、ちょっと試算してみましょう。
数字は平成29年の衆院選(小選挙区、茨城2区)のものを使います。
資料は
『平成29年10月22日執行 衆議院議員総選挙最高裁判所裁判官国民審査結果調』
『選挙の記録 平成29年度』(茨城県)
です。
この時の茨城2区のデータは以下のとおり。
選挙日当日有権者数:36万3181人
投票総数:18万248票(投票率49.63%)
(持ち帰りがあったようなので国の『結果調』よりも2票少ないですが、茨城県版を正とします)
有効投票数:17万5956票
無効投票数:4292票(投票総数に占める割合:2.38%)
衆院選の場合、法定得票数は「有効投票総数の1/6」と規定されています。
(公職選挙法95条1項)
※計算方法は地方選挙や参院選の場合は衆院選と異なります
第48回衆院選(平成29年=2017年)で茨城2区の法定得票数は
17万5956票÷6 = 2万9326票でした。
この選挙の時、茨城2区には自民党、希望の党、共産党の候補がいました。
どの候補も法定得票数を下回る場合に再選挙になるわけですが、法定得票数を満たさず最も得票数が多い場合は以下のようなパターンだと思います。
自民 2万9325票
希望 2万9325票
共産 2万9325票
この場合、どの候補も法定得票数に達しないので再選挙になります。
投票総数は8万7975票で、無効票がないと仮定した場合の投票率は約24.22%です。
※ここでは法定得票数を2万9326票に固定していますが、実際には投票率が下がれば有効投票数も下がるので、法定得票数はさらに下がります
しかし、こんな極端なケースも考えられます。
自民 2万9326票
希望 0票
共産 0票
この時の投票率は約8.07%(無効票はないと仮定した場合)。
この場合は一人の候補が法定得票数以上のため、このような低投票率でも選挙は成立です。
無効票が2.4%弱(約700票ほど)あったとしても、投票率8.26%もあれば成立してしまう。
※実際には投票率8%の場合、法定得票数は4842票なので誰か一人が4843票以上獲得すれば選挙成立には十分です
投票率が下がれば下がるほど組織票をもつ政党に有利というのはこういうことです
たまにTwitterあたりでは
「白票を入れて選挙を不成立に」
みたいな書き込みを見かけることもありますが、それこそまったく無意味。
先ほどの公選法95条にもあるように、再選挙になる場合の計算式は
「有効投票総数の1/6」
なんですよ。
大事だから何度も書いちゃうけど
「有効投票総数の1/6」
ですよ。
無効票である白票をナンボぶっ込んでも選挙にはなんの影響もないんです。
ホント、こんなのは中学か高校の社会科でちゃんと教えとけよって話です。
話を選挙に戻しますが、選挙では各政党に「ガチ勢」ってのがいます。
政党のコアなサポーターで、選挙では必ず支持政党に有効票を投票する層です。
自民党だとあのカルト教団とかね。
その他にもあの極右団体とか・・・・・・。
そういう「ガチ勢」がいる限り、いくら白票を入れたところで選挙は必ず成立しますよ。
たとえば第48回衆院選のとき、茨城2区で自民党が獲得した票数は10万4183票。
有効投票の59.31%ですよ。
なんでそんなことになるのかっていうと、その原因のひとつは投票率が低いから(49.63%)です。
棄権した残りの50.37%が
ちゃんと選挙にきて
自民党以外の政党に有効票を投票しなければ
自民党を倒すことはできない。
まぁもともと自民党に投票していた層が絶望して白票入れてくれるっていうなら好きにしてって感じですけどね。
※政治学者によると、成熟した民主社会では投票率の上限は75%程度であろうと言われているようです
慶應義塾の政治学の講座ではそのような説を紹介されました
以前も別の記事で書いたように、選挙で白票を投じるということは総投票数に占める有効投票数の割合を小さくするということ。
そうなった場合、選挙で必ず特定の政党に有効票を投じる層が有利になるのは当たり前の話です。
自分たちの生活を変えたいと思うならば、選挙では必ず誰かを選ばなければ話にならない。
絶対数が少ない白票はともかく、選挙を棄権するとどうなるか今の日本の状況を見ればよくわかるでしょう。
祖国を外国カルトに売り渡すような連中が日本を牛耳るようになるんです。
自民党が独裁的というけども、そういう状況を作ったのはほかならぬ日本国民自身なんですよ。
今の選挙システムだと、最悪の場合は投票率10%以下でも選挙は成立する可能性があります。
その場合、当選するのは、あれだけの不祥事を抱えながら、なぜかいまだに政党支持率が最も高い自民党の候補です。
投票率10%以下の選挙で勝っても「国民の信任を得た」とか臆面もなく言い放つでしょうね。
何度でも書くけど、現在の政治に不満があるのなら
選挙に行って
自民党以外に有効票を投じないと
今の状況が延々と続く(というか、さらに悪化する)
ということです。