レンズ解体(勉強になりました) | やる時はやりまっせ!

やる時はやりまっせ!

ニュージーランド南島クィーンズタウンで満天の星と赤色オーロラの撮影に人生を捧げております。同タイトルのホームページTOPを毎週移植

 

レンズ解体(勉強になりました)

 

 

 

2023年8月も末。
ここ数週間は太陽の活動が小休止中なのか、主だったフレア爆発も無ければ、大きな黒いコロナホールも無く、太陽風は穏やかに推移しています。

お陰でオーロラ撮影へのスクランブル発進も無く、仕事後はゆっくりとさせてもろうてます。

そんな中、Sony α7RIIIでの4K動画撮影用に買っておいたレンズである TTArtisan 11mm F2.8 が壊れたので、皆様への注意喚起を兼ねて報告させて頂きます。

中華製のレンズに全く興味のない方はスルーして頂き、そうでない皆様でこのレンズをお持ちの方も少なくないと思います。F2.8開放でも四隅までコマフレアも目立たず、中々シャープに天の川を撮っておりましたが、1年ほど前から撮像に片ボケがある事に気付いてしまいました。

購入当初の写真ではなかった「片ボケ」が何故急に発生したのか分からずにおりました。しかし、先日とうとう判明しました。

と言うより、ピントリングを回しても焦点が合いません。オーロラ撮影中の出来事故に、真っ暗な中で撤収時にしか使わない白色LEDライトをぶっ放して、レンズの詳細を確かめました。

するとどうでしょう、レンズのあらゆる方向を見ていたのですが、前玉と後玉が重力に従って勝手に動くではありませんか。これじゃピントは合いません。

こりゃダメだ、という事で帰宅後にチェックするも、分解しか無いと判断。

そして上の写真が分解後の全パーツです。

故障の原因は、写真中央やや上に写っているレンズキャップをご覧下さい。得体の知れない小さな部品が2つ載っているのがお分かりになるでしょうか。

実はこれが2本とも完全に折れており、ピントリングとヘリコイド(って名前でしたっけ)を直結する重要な部品だったのです。

早い話、これが2本とも折れて、レンズが宙ぶらりんになっていた訳です。

 

 

 

 

 

 

折れた理由を知りたくて分解したのですが、合点がいきました。
折れた理由は、

レンズ着脱時に、レンズフードを持って回転させていたのが原因です。

そう、このレンズですが、レンズフードから、後玉(前玉ではない)までが一体式になっており、それとボデイの接点は「折れた2本の棒」だけだったのです。

最初からレンズ着脱が硬くて、知らぬ間にレンズフードを持って回転させていたんですね。そりゃこの部品に何十キロもの力が加わっていたんでしょう。

片ボケの原因も恐らく最初は2本の内の1本が折れて光軸が傾いたのが原因だと考えられます。

そして折れた部品だけ交換すれば良いと高を括っていたのですが、何とネジ穴にネジ部分が残ったまま折れており、内側にもアクセス出来ない構造だった故に、これは勉強代だと考えて新品を新たに購入しました。

このレンズを動画撮影に殆ど使わなかった(重かった)ので、今後は太陽活動の本チャンに突入する事を鑑みて、Nikon Z6II 用に Z マウントを購入しました。

二度とこんな失敗をしない様にと分解しましたが、分かった事があります。
それはレンズ着脱時は上から2/3を触ってはイケないという事です。かと言って、レンズの根元だけを持っての着脱は中々大変ですよ。

先程手持ちの Z6II に装着してみましたが、故障体の時の様な着脱が硬くて困難という事はなくて助かりました。

もしこのレンズをお持ちの皆様、レンズフード、及びピントリングさえも触らないでの着脱を心がけて下さい。私と同じ運命を辿りますよ。

所持する対角魚眼レンズを減らそうかと思っている矢先の出来事ですが、これからはこのレンズで星とオーロラを撮る事にしました。他の純正やシグマの対角魚眼はお役御免となります。