フェリシモ神戸学校石田香織講演会⑦
「竹ちゃん一応ギター持ってて」
第二部始めますの合図をもらって、
控え室から出る。
二部は、、、、
「上あがります?」と竹。
「んー、様子みよか」と妙。
石田香織さんどうぞ
壇上に上る石田香織。
壇の脇につっ立つ男2人。
慌ててスタッフさんが
ギタースタンドを持ってくる。
違うスタッフさんは、
椅子を2脚持ってくる。
すみません、
なにもかも行き当たりばったりで。
座る男2人。
第一部の最中に
ネットにとばされた質問を
司会者がひろって
石田になげる石田が答えるを
4発くらいやったのかなあ。
第一部スタート時の
どうにかしないと感がまるでなく、
質問を投げたヒトの気持ちを
キチンと想像して、
自分の日常風景を混じえながら
言葉を返していく。
「シングルマザーとして、
二人の娘さんの子育て、
B型就労支援施設の
スタッフの仕事もされて、
作家として小説を書いて、、、
タイムスケジュールは、
どのように割り振ってこなされてるんですか?」
石田香織
「タイムスケジュールとかを
たてるのが私苦手で。
そんなことが出来てたら
私違う人生だったかもしれません。
施設の子供がね、
突然ワーッて叫びながら出て行って
スーパーに入って行くのを
コラ待て!って追いかけて
私もスーパーに入る。
スーパーの中を3週ぐらいして
トイレに入るんやけど、
追っかけてる間に、
あ、トマト88円!って。
全然違うものが目に飛び込んでくる。
待てー!あ、トマト88円!
別に帰りに買ったりしないですよ。
その時目に入っただけで。
トイレ行きたかっただけでしたーって、
トイレから出てくるまでの間で、
その子、家で
どんな過ごし方してるんかなーって
考えてまう。
家帰ったら、
今日こんなことあってなって、
娘に報告しながらまた考える。
これは、仕事、これは子育て、
今から創作、とかって
縦わけなんかじゃなくて、
日々必死に生きてることが創作の時間。
全部一緒にやってる感じかなあ。
こんなんでいいですか?」
「だから、
日々の出会いが貴重で、
創作につながるわけやから、
イッコイッコの出会いに
私なりに誠実でありたいなと思ってる」
「石田さんのエピソード
話しいいすよね」と竹。
「あいつノッてるな、
えー感じやな」と妙。
二部も終わると、
マトリョーシカを買って
サインに並ぶ列ができた。
「さっき、私に
話しがあるって言われてた事を
ききたいです。」と、市川さん。
「控え室でお弁当たべながら、
矢崎社長の事も混じえて
話してくださったことは、
どうでもいい話しじゃなくて、
思いきって発言しようと
意気込んだ話しだったと思ったんです。」
「はい」
「でも、矢崎社長は、
言ってることがまったくわからないと」
「はい」
「思い切った発言が
伝わらないことが繰り返されると、
どうせ私の話は伝わらないからって
慣れたりするし、
まわりは、
あいつはおもってることを
表には出さないとかってなる。
仕事上大切な人に
どうせ伝わらないし、は、マズイ。
ポイントになるのは、
『あの時社長は、
こんなことを言われた』とか、
その時目にした風景の細かな描写とか、
具体が大事。
具体で、
聞いてる人の想像力が動き出すので、
その場で共有できたイメージを元に
その場で発見された言葉が続いていく。
内側でおもってることが沢山あって、
社長にもその事は、
しっかり伝わっていて、
でも、わからないまま。は、寂しい。
練習がいるだろうから、
一緒にワークショップみたいな事ができると
いいですねー。」
おとなしく、話をきいてくれるようなヒトを
見つけて、まあえらそうにタエシマは、
調子こいたんだねえ。
ご迷惑をおかけしましたねえ。
お許しください。
担当した人は、
メッセージをスケッチブックに書き残す。
石田香織は、
「あかんたれで生きる」
雄三さんの喉仏のホネが入った銀のリンゴは、
そうか、
フェリシモ神戸学校に参加してもらったんだ。
今回は石田香織が銀のリンゴをもらう番。
じゃあ帰りますわ。竹ちゃん
おつかれ、また。石田じゃあまた。妙
うんまたね。ありがとう。石田
一回も打ち上げしたことのない三人が
おのおの帰る。
行きは雨が降ってタクシーに乗ったけど、
雨が止んでいる帰りは、駅まで歩く。
あけてありますっていうから、
さぞかし稽古全部出るのかと思ったら
ちっとも来ねえで、
本番前日じゃねえかよ。
さぞかし台本読んできたんだろうな。
どうすんだよ。
神戸の海側を歩きながら、
神戸の山奥で行われた
森田雄三最後の演出舞台の稽古で
ニヤついた顔でどなられたのを思い出す
(終わり)
(たえしま)