それでは、告知義務について見てみよう。法律は複雑なので、総合的に判断する必要があるからだ。

⑤第126条(告知)
警察官は、反則者があると認めるときは、次の各号に掲げる場合を除き、その者に対し、すみやかに反則行為となるべき事実の要旨及び当該反則行為が属する反則行為の種別並びにその者が次条第一項前段の規定による通告を受けるための出頭の期日及び場所を書面で告知するものとする。ただし、出頭の期日及び場所の告知は、その必要がないと認めるときは、この限りでない。
一 その者の居所又は氏名が明らかでないとき。
二 その者が逃亡するおそれがあるとき。

 提示はした方がいい、というのは、この例外項目があるからだ。免許証には住所氏名が書かれている。そしてそれは確実に身分を保証するものだ。逆に言えば、免許証の提示を拒否していると、「居所・氏名が明らかではない」とされて、最悪逮捕されてしまう可能性すらあるのだ。だから免許証は素直に見せよう。そして、住所・氏名・運転資格・有効期限を迅速に確認させるのだ。それが済んだら免許証は引っ込めてしまって構わない。何故なら、後は「逃亡のおそれがない」状態で、「酒気帯び」ではなく、「過労運転」でもないことさえ主張すれば、免許証提示の要件はもうないからだ。

 反則告知書は必ず書面で受け取る。当然サインは拒否する。誰が何と言おうとサインは任意であり、違反行為が事実だとしても、切符を切られるほどの「可罰的違法性」はないと思ったら、断固として拒否しよう。なおもサインを求めてきたら、言ってあげよう。「任意ですか?強制ですか?強制ならサインします。どの法律のどの条文に書いてあるのか教えて下さい。」

 たまに、反則告知書を渡してこない警官がいるが、これが要注意だ。渡さなくてもいいのは赤切符だけで、青切符は渡さなければならないのだが、自分の所属・階級・氏名を知られるのを恐れて、告知書を渡さずに行政処分の処理だけをする悪徳警官がいるのも事実だ。僕に「逮捕するぞ!」と言い放った駒込警察署の安富という警官は、青切符を渡してこなかった。だから公安委員会に苦情と異議申立てをしたが、当然のごとく返事はない。忘れてはならない。警察は正義ではない。腐っているのだ。

 意外な事だが、警察官が切符を切るために免許証の提示を求めても、それに従う必要はない。道交法のどの条文にも、「反則告知書を作成するために、免許証の提示を求められたら免許証を提示しなくてはならない」という条文はないからだ。むしろ、「提示を求める事が出来る」という条文がない以上、切符を切るために免許証の確認が必要だと言ってきたら、「そのような法律が存在しないので従えません。必要ならばナンバーから所有者を洗って、その免許証番号を記入してはどうですか?」と言ってあげよう。なおも粘ってくる警官もいるハズだ。車の所有者が運転者とは限らないからだ。そうしたらこう言おう。

「道交法第67条に規定された以外の理由で提示を求める法的根拠を教えて下さい。書面で告知する事があなたの責務でしょうが、提示義務がない以上従えません。」

 そんな無茶な…と思うかもしれない。しかし、法律とはそういう物なのだ。数十年前の道路事情と車の性能を基準にして定められた制限速度を超過したら「違反は違反だ」として取締りを受けるのだ。ならば、「法律は法律だ」として、任意事項を拒否しても何ら恥じる所はないハズである。

 一番してはいけないのが、免許証の「提出」である。「免許証を見せて」という警察官は何を血迷っているのか、必ず手から免許証を取り上げようとする。はっきり言って強奪以外の何物でもないのだが、免許証を取り上げられた状態では、精神的に不利になることは否めない。だから、取られそうになっても手を離してはならない。「提示には応じますが、提出はしません。提出が義務なのですか?」と尋ねよう。向こうも法律の勉強はしている。大抵はこれで引くはずだ。たまに引かないで、「義務だ。逮捕するぞ!」と脅迫してくる安富のような警察官もいるが、そうしたら即座に110番通報しよう。「逮捕すると脅迫して、私の所有物を強奪しようとする警察官がいるのですぐに来て下さい!」と。

 実際に警官と口論になり、110番通報して別の警官を呼んだ人もいるが、何故か110番されると警官は激怒するようで、余計に無茶苦茶な事を言い出すため、呼ばれた警官が止めに入って仲裁することが少なくないようだ。しかし、警官といえど日本国民である以上、法律は守らなければならない。道交法の軽微な違反と、刑法上の重罪のどちらが悪いかは誰でもわかるだろう。

 とにかく、提出する義務などない以上、絶対に提出してはならないし、取り上げられたらすぐに「返してくれ。提示はする。提出はしたくない」と言おう。これで引かなければ、その警官は悪徳警官確定なので、次項の対処法を利用しよう。

④第67条(危険防止の措置)

警察官は、車両等の運転者が第六十四条、第六十五条第一項、前条又は第八十五条第五項若しくは第六項の規定に違反して車両等を運転していると認めるときは、当該車両等を停止させ、及び当該車両等の運転者に対し、第九十二条第一項の運転免許証又は第百七条の二の国際運転免許証若しくは外国運転免許証の提示を求めることができる。

 どうせだから、免許証の提示の要件となる64・65・66・85条も見てみよう。

第64条(無免許運転の禁止)
何人も、第八十四条第一項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで (第九十条第三項、第百三条第二項若しくは第四項又は第百三条の二第一項の規定により運転免許の効力が停止されている場合を含む。)、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。 (罰則 第百十八条第一項第一号)

第65条(酒気帯び運転等の禁止)
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。何人も、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある 者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。(罰則 第一項については第百十七条の二第一号、第百十九条第一項第七号の二) 


第66条(過労運転等の禁止)
何人も、前条第一項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の 理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはな らない。 (罰則 第百十七条の二第一号の二、第百十八条第一項第三号)

第85条(第一種免許)
大型免許を受けた者で、二十一歳に満たないもの又は大型免許、普通免許若しくは大型特殊免許を受けた者で、当該いずれかの免許を受けていた期間 (当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して三年に達しないものは、第二項の規定にかかわらず、政令で定める大型自動車を運転することはできない。

さて、わかりやすく整理してみよう。警察官が強制的に免許証の提示を求める事ができるのは、以下の4点についてのみである。

1.無免許運転の疑いがある時
2.酒気帯び運転の疑いがある時
3.過労運転の疑いがある時
4.特定大型車両の運転手が21歳未満、もしくは大型取得後3年経っていない疑いがある時

4はまあ関係ないだろうから、実際には1~3を要件として免許証の提示を求める事が出来るわけだが、ここで一つの事に気付かされる。

違反をしたからと言って、免許証の提示を求める事は出来ないのだ


 まあ、実際には免許証の提示を求めたからと言って、それが違法行為とはされないだろうが、少なくとも強制力はないのである。これについては、違反の告知についても学ぶ必要があるが、結論としては、「提示はした方がいいが、切符に記入するために手渡す必要はなく、必要事項を確認させたら免許証は引っ込めてしまってよい」ということだ。

 とりあえず聞いてみよう。「どの法律のどの条文を根拠に免許証の提示を求めるのですか?」

③警察官職務執行法(この法律の目的)


第一条 この法律は、警察官が警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)に規定する個人の生命、身体及び財産の保護、犯罪の予防、公安の維持並びに他の法令の執行等の職権職務を忠実に遂行するために、必要な手段を定めることを目的とする。


2 この法律に規定する手段は、前項の目的のため必要な最少の限度において用いるべきものであつて、いやしくもその濫用にわたるようなことがあってはならない。


(犯罪の予防及び制止)

第五条 警察官は、犯罪がまさに行われようとするのを認めたときは、その予防のため関係者に必要な警告を発し、又、もしその行為により人の生命若しくは身体に危害が及び、又は財産に重大な損害を受ける虞があって、急を要する場合においては、その行為を制止することができる。



 ここで質問だ。通達が廃止されたとはいえ、全ての違反を取締る気はないのであるから、「危険性の少ない軽微な違反」は「警告」で済ますのが普通である。切符を切られるという事は「危険性が高い」という事だ。では、どのような危険があるのか?



 一番怖いのは人身事故である。怪我で済めばまだ良いが、鉄の塊が突っ込むのだから、下手をすれば死亡事故に発展してしまうのは周知の事実だ。人身事故で怪我をさせたり死亡させたりすると、「業務上過失傷害」ならびに「業務上過失致死」という罪になる。これは刑法で規定されている「犯罪」である。




 ネズミ捕りなどで、取締りを受けた時、疑問に思うのは「本当に危険だったのか?」という事だ。ネズミ捕りは通常見通しのよい複数車線の道路で、日曜の午前中など交通量の少ない時間帯に行われる。何故か?一つには混雑していては誰も速度超過をしてくれないから。二つ目はそういう場所の方が警官が飛び出して制止しても「安全だ」と考えるからだ。



 人が路上に飛び出してきても「安全」ならば、「警告」で済ませばいいではないか?切符を切るという事は危険だという事だ。「過失致死」などの「犯罪行為」がまさに行われようとしている事を予測していながら、「その予防のため関係者に必要な警告を発し」たであろうか?




 例えば、ネズミ捕りの前方に赤色灯を点灯させたPCを配置し、「速度超過に気を付けて下さい!」とでもスピーカーを使って「必要な警告を発し」ていたら、誰が速度超過をするというのか?でも、それで過失致死などの犯罪行為が予防されるのならば、それこそが警察官職務執行法の求めるものではないのか?言うまでもない事だが、「犯罪行為の予防を怠って、人が死んでしまったらどうするんだ?」



 危険ではないなら、警告でいい筈だ。危険ならば事前に警告を発するべきだ。速度超過というのは、PCが巡回していたら、物凄い勢いで抜いて行って、警告しても速度を落とさなかったり、深夜の国道を真っ赤な顔して走っている飲酒運転中のオヤジのクラウンとかを捕まえる時に使えばいい法律ではないか?実際の事故は、空いている時より、混雑している時のバイクとの右直とかの方が多くて「危険」だろ?



 そもそも、待ち構えて取締りを行っている時点でおかしいのだ?危険な違反なら未然に防ぐべきだろう?黙認できるような軽微な違反なら、たまたま見掛けた時に制止して、警告すればいいだろう?一体なぜ、わざわざレーダーやら光電管まで用意して、危険な違反を放置するのか?未然に防ぐのが仕事じゃないのか?



 だから、取締られたら聞いてみよう。



「違反しそうなのがわかっていたのに、どうして警告を発しなかったのですか?警察官職務執行法第5条に抵触しませんか?だって、危険なんでしょ?人をハネたら過失傷害という犯罪ですよね?」


 と、いうような主張をする輩は僕以外にもいたらしく、警察側も小さく「この先速度取締り中」という看板を出すようになった。少なくともオービスの手前には必ず設置されている。ネズミ捕りであっても、看板の有無は争点にしやすいので、とりあえずは看板が立てられているのかどうかは確認しておこう。