ボートがすねた その4 | フェラーリ308GTB と ねこ のブログ

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ボートの点検に出向いたら、左舷側エンジンのスロットルレバーがびくともしなかった件の続きである。
 
クラッチケーブルにオイルを注したら、なんとか動くようになったが、その後試運転すると、スロットルレバーを全開にしてもエンジンの回転が2,500rpmしか上がらなかった。
 
知り合いのディーゼルエンジンのスペシャリストに相談したら、いくつかのヒントをもらったので、それを順番に確認していくことにした。
 
前回は、ターボチャージャーの軸受けのチェックを行った。
 
右舷側エンジンで、吸気側のタービンを確認すると、指で廻そうとしても固着していて回転しなかったが、CRCとスプレーグリースを注入して根気良く左右に回転させているうちにある程度廻るようになる。
 
しかし、まだ何かひっかかる感じが残っていた。
 
とりあえず、エアクリーナーを取り付け試運転してみるが、相変わらずスロットルレバーをかなり開けているのに、エンジンの回転が頭打ちになり、2,300rpm以上に上がらない。
 
さらに、スロットルレバーを開け全開にしてみたが、状態は変わらず。
 
エアコンの修理で一日会社を休んだ翌日の朝、保管場所に向かう。
 
今回は、ターボチャージャー排気側のチェックを行う。
 
最初にターボチャージャー排気側と排気管を繋いでいる排気ミキシングエルボを取りはずす。
 
この時、接続バンドが切れているのを発見。
 
これは困った。
 
このままでは再度接続することが出来ない。
 
何か代替品を用意しなくては。
 
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次にターボチャージャー排気側のタービンを確認すると、なんとハウジング本体の内部が盛り上がりタービンと接触しているではないか。
 
これがタービンがスムーズに回転しない、本当の原因だった。
 
一年前に乗った時は大丈夫だったので、長期間動かしていない間に塩害による腐食が進行したようである。
 
本来はすぐにでもターボチャージャー本体を交換したいところであるが、あいにくお盆休みの期間なので、どこの会社も休みに入っていて部品の入手が困難である。
 
これではせっかくのお盆休みの間に、乗ることが出来ない。
 
ここで、いい考えがうかんだ。
 
「とりあえず動かす為に、ハウジング本体内部の盛り上がった部分を削って、タービンと接触しないようにしてやればいいのでは。」と。
 
手持ちの工具の中から使えそうな物を探すと、先のとがったタガネがあった。
 
タガネとハンマーでタービンにキズをつけないように、慎重に削っていく。
 
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エンジンルームの狭い空間での作業の為なかなかはかどらず、結局昼過ぎまでかかってしまったが、タービンはスムーズに回転するようになった。
 
イメージ 5コンビニのおにぎりをほおばりながら、代替品の接続バンドを探しにホームセンターまで出向く。
 
水道管固定用で直径はちょうどぴったりの物があったが、いかんせん幅が広すぎる。
 
このままでは、フランジ同士を密着させることが出来ない。
 
それでも、ないよりはましなので購入。
 
写真の左側が切れた接続バンド、右側が代替品の接続バンド。
 
ステンレス製なので、海水にも強いだろう。
 
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しっかりと2本のネジを締めて固定する。
 
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作業が終わったので、両舷のエンジンをスタートする。
 
すると、右舷側ドライブ部のスクリューの上に位置する排気口から、全く排気が出てこない。
 
どうやら、先ほどの接続部から漏れてしまっているようだ。
 
とりあえず、試運転してみることに。
 
しばらくは、暖機運転を兼ね1,500rpm程度でゆっくりと航行する。
 
冷却水温が60度に達したあたりで、スロットルレバーを操作しエンジンの回転を徐々に上げていく。
 
すると、2,000rpmを超えたあたりで接続部から大量の黒煙が。
 
すぐに試運転を中止し、エンジン回転を低く保ったまま港に戻った。
 
ボルボのこのタイプのエンジンの場合、ターボチャージャー吸気側にエアクリーナーが取り付けられ、そこからすぐに空気を吸入している。
 
排気漏れがあると、燃焼後の空気を吸ってしまうことになるので、酸素が不足し混合気が過濃になり黒煙が発生するらしい。
 
こうなると、エンジンのパワーも十分には出ない。
 
早急に排気漏れをなんとかしなくては。
 
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気がついたら、一日が終わろうとしていた。

続く