こんにちは、ストレスレスな育児論を伝える現役保育士のかなりんです。

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育児・保育で一番大切にしたいことという記事の続きその2です。

幼児期に育みたいこととして

生理的欲求を満たしてあげる

ことを挙げました。

 

食べる・寝る・排泄する

 

食べる寝ることについて考えてきました。

今回は最後の項目、排泄を考えていきます。

 

赤ちゃんの頃は排泄のコントロールがまだうまくできません。

2歳児くらいまでは、オムツで過ごすことが多いですね。

最近はおむつなし育児というおむつをなるべく使わないで排泄する方法もあります。

私が勤めていた保育園でも1歳になると布パンツになっておむつなしで過ごすことをしていました。

正直言うと、あちこちでおもらしが発生してとても忙しかったのですが

子どもたちはおむつよりも動きやすくて気持ちよさそうではありました。

家だと紙おむつ生活なので、園生活の中でどれだけ排泄コントロールが身についたかどうかは疑問ですが

子どもが自分の排泄について意識する良いきっかけにはなったと思っています。

 

排泄も自分で排泄のタイミングが分かり、自分で排泄に行くことができることが大事です。

ですが、この排泄も、活動の妨げにならないようにと、時間を決めて一斉に行われています。

一斉に声をかけて、排泄を促すことは、問題とは思いません。

むしろ生活リズムを整えるために、必要なことだと思います。

ただ、声はかけても、強制はしないであげてほしいなと思うのです。

 

複数の現場で、トイレの時間はトイレに行きたくなくても便器に座らせるということが行われているのを目撃しました。

便器に座ってタイミングよく出ればよいのですが、出ないとき、全然したくないと分かっているときに無理やり便器に座らせるのはどうかと思ってしまいます。

まだ排泄のコントロールができていない乳児の場合は、便器に座る習慣をつけるということで

「まずは座ってみようね」と座らせることはよいと思います。

でも排泄の自立が進んでいる幼児に対して

「でなくてもいくの!」と強制させる場面が多々あり、なんだか悲しくなりました。

活動に支障が出るから、トイレに行ってほしいということもあるでしょう。

でも本当は、トイレに行きたくなったら、いつでも行ける環境づくりのほうが

きっと子どもにとっても大人にとっても、快適な生活が送れるのだと思うのです。

 

忙しい園ほど、トイレを強制してしまうのかもしれません。

だって、保育者だってトイレに行きたいときに行けないのですから。

人手不足でトイレに行きたくてもその場を離れることができない。

大人は我慢が当たり前になっているのですから、子どもにも強制が当たり前になってしまう。

活動中に「トイレに行きたい」なんていう子どもがいても

「トイレの時間にしなかったの?」と怒られたりする場面もあるかもしれません。

すると子どもはどう思うでしょう。

トイレの時間におしっこがでない自分は悪いんだ。

と自分のことを責めてしまいます。

そして、行きたいときに「トイレ行きたい」と言えなくなって

我慢が重なり、おもらしをして、そしてますます自分のことが嫌いになっていってしまう。

そんな負のスパイラルに陥ってしまうかもしれません。

 

これは子供時代の私の姿でした。

保育園では記憶はないのですが、小学校に上がったばかりの1年生のとき。

休み時間にトイレに行っておくのに、授業中にもトイレに行きたくなって

でも先生には言えなくて

何度もおもらしをして恥ずかしい思いをしました。

きっと先生は「行きたいときは言ってね」と言ってくれたとは思うのですが

私は言えない子どもでした。

安心して言える子どもだったらよかったのになと今になって思います。

 

排泄は精神的な緊張によっても引き起こされます。

きっと学校で緊張していたせいかもしれません。

デリケートな欲求なだけに、その排泄の自立の大事な時期である幼児期には

他者が排泄を強制することのない環境を確保してほしいと願います。

 

うんちもおしっこも本来は気持ちの良いこと。

排泄した後は「あ~スッキリした!」とニコニコになることが良い排泄です。

うんちやおしっこが出たときに、周りの大人が

「くさい」「あ~大変」「(処理が)めんどくさい」

などとネガティブな言動をついうっかり繰り返してしまうと

子どもは、うんちやおしっこすることは悪いことなんだと

認識してしまい、我慢するようになってしまうかもしれません

だから排泄のときの声掛けも気を付けています。

「でたね!」「スッキリしたね!」「いいうんちだね!」「スッキリ出て気持ちいいね!」

子どもが、排泄は気持ちいい!いいことなんだ!と認識できる環境づくりも

子どもの健全な育ちのためにとても大切なことだと考えます。

子どもは大人の喜ぶ顔か大好き。

子どもと一緒に排泄を喜べる環境が

なにより大事なその子の育ちになると信じています。

 

ちょっと大きい子にはこんな絵本もいいですね

 

 

水洗トイレに流してしまうと、そのあとは分からなくなってしまう排泄の先を

この絵本では教えてくれます。

野外で活動する森のようちえんでは、土に穴を掘ってそこに排泄して土をかけて処理をするところもあります。

ある程度、たまったらまた別の場所に穴をあけて土で埋めていきます。

すると排泄した糞尿は分解されて、遊びの森の栄養になります。

「うんちは森の栄養になっている」なんて思えたら排泄がさらに嬉しいものになりますね。

 

この3回シリーズで考えてきた

食べる・寝る・排泄する

これらはまさに「生きる」こと

子どもたちには「生きる力」をつけさせたい

だからまずはこの生理的欲求を

快適に自分のこととしても身に着けてもらいたい

そういう思いで保育に臨んでいます。

 

子どもたちの生きる力をはぐくむには

このブログではそのための保育や育児について考えていきたいと思います

 

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