こんにちは、ストレスレスな育児論を伝える現役保育士のかなりんです。

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育児・保育で一番大切にしたいことという記事の続きその2です。

幼児期に育みたいこととして

生理的欲求を満たしてあげる

ことを挙げました。

 

食べる・寝る・排泄する

 

今回は寝ることについて考えていきます

 

私は保育士の資格をとったのは初めての育児3年目のことでした。

息子が2歳までは会社員として働いていたのですが

仕事と家庭との両立に悩み、今しかない子どもとの時間を確保するために会社員を辞め

育児をしながら保育士の道を目指しました。

 

息子が2歳までは保育園に預けていたので、お昼寝は当然あり、当たり前のことだと思っていました。

3歳の時に、保育園から自主保育(森のようちえん)に転園し

お昼寝なしで活動し、帰宅が14時ごろになりました。

そこでわかったことは、帰宅してからお昼寝をする日もあれば、しない日もあるということでした。

4歳のときに引っ越しをして、幼稚園に転園したのですが、そこでも降園は14時。

4歳を過ぎると、お昼寝をしない日が増えていき、5歳児のときはよほどつかれた時を除いて全くお昼寝をしなくなりました。

夜は20時~21時には就寝し、朝は6時~7時起き。

夜の睡眠時間で十分足りるようになっていたようです。

 

息子が小学生に上がってから、保育士として働き始めたのですが

5歳児クラスまでしっかりお昼寝の時間があることに驚きました。

私は0歳児担当だったので、ほとんど幼児クラスには携わらなかったのですが

それでも臨時で幼児クラスに入ることもあり、そこでの先生の様子にまた驚かされました。

普段とっても優しい先生が、お昼寝の時間になるととたんに怖くなって

眠れなくておしゃべるしている子なんかをお友達から引きはがしたり、脅したり、にらんだり

とにかく「眠くなくても、静かに布団にいなさい」という威圧的な態度が横行していました。

 

お昼寝の時間は保育士にとっては連絡帳の記入や日々たまっていく書類作成の貴重な時間。

さらには大事な休憩時間でもあったりします。

なにがなんでも子どもを寝かせて時間を確保しなければという気迫が伝わります。

 

しかしながら、子どもを真ん中において考えたとき

必要な保育とは何か、を考えたとき

眠くない子どもを無理やり寝かせる、あるいは静かにじっとさせる時間が

本当に必要なのか、立ち止まって考えていきたいと思うのです。

 

幼児クラスのお昼寝の時間の様子を見て、私自身の5歳の記憶がよみがえりました。

当時の私は保育園児で年長クラスでもお昼寝の時間があって

私はそれがとてもいやでいやで仕方ありませんでした。

なんとなく寝顔を見られるというのも嫌だったし

眠くないのに布団でじっとしていなきゃいけないのも嫌だった。

一睡もできずに昼寝の時間をやり過ごすことも記憶にはないけれど何度もあったのだろうと推測します。

 

もちろん、昼寝が必要な子もいるでしょう。

「寝る子は育つ」と言う通り、子どもの成長には十分な睡眠が欠かせません。

一方で、保育園でお昼寝してきちゃうので、家に帰ってから夜遅くまで寝なくて困るという声もあります。

体質や子どもの活動量によっても、その日その日の睡眠は変わって来るでしょう。

大人だってそうですよね。

この当たり前のことが、保育者のスケジュールを確保するという目的のために

見えなくなってしまっていて、昼寝を強要する現場がまだまだ残っているという現状があるのです。

 

複数の保育園に勤めましたが、どこの保育園も5歳児まで昼寝は必須で、寝かしつけに苦労し、お互いにストレスがたまっている様子が見て取れました。

今は、幼保一体型の子ども園に勤めていますが、14時降園以降のお預かり保育の幼児クラスはお昼寝の時間はありません。

0,1,2歳児が寝ている時間に、3歳児以上は活動しています。

業界が変われば常識が変わるのです。

 

娘の話をします。

娘は2歳から保育園に通い始めましたが

4歳年中の秋から冬ぐらいだったころから

保育園に行くことを異常に嫌がり朝は泣いて泣いて大変な時期がありました。

なんとか預けて、でもお迎えのころにはニッコニコで

先生に様子を聞いても、「とても楽しく過ごしています」との言葉に

朝はなんとなく行きたくないだけなのかな、と軽く考えていました。

でもどうにもこうにも、朝のギャン泣きは収まらずで。

その当時は、私は朝番保育のパートをしていたので、娘は主人が保育園に送って行っていたのですが

主人からも「朝は泣いて泣いて預けるのが大変」と聞いていました。

私も気になっていたので、仕事を減らし週3にして、仕事がないときは朝保育園に送っていったのですが

尋常ではない泣き方で、預けるのを諦めて引き返したことも何度かありました。

娘と話しをしていく中で、ようやく見えてきたことは

「おひるねの時間がいや。ねむくないのにおふとんで静かにしていなくちゃいけないし」

「しずかにできないお友達はふとん倉庫に連れていかれてこわい」

とても驚きました。同時にどこの園も一緒なんだなと保育の現場を知っているがために冷静に受け止められました。

もし保育の現場を知らずにこのことを聞いたら、保護者としてとてもショックを受けていたと思います。

子どもを寝かさないといけない、と思い込んでいるのかもしれませんが、先生方の気持ちもわかるのです。

園の決まり。園のルーティンを回すために、必要なお昼寝。

でも、子どもたちにとっては?

少なくとも娘にとっては苦痛の時間でありました。

そして幼い日の私にとっても。

 

とてもいい園だったので、とてもとても悩みましたが

年度が替わると同時に私は仕事を辞め、娘も同時に保育園を辞めました。

保育園中退です(笑)

二度と来ない子ども時代を、どう過ごしてほしいのか、考えに考えた末

がまんして過ごす時間をなるべくなら減らしたいと思いました。

と、同時に、二度との来ないこの時期を、一緒に過ごしてみたいという欲求も沸きました。

こうして娘は昼寝の強要から解放されました。

保育園を辞めたら昼寝をしなくなったかというと、そうでもなくて

車での移動時、遊びの帰りはほぼ寝ていました。

かといって夜遅くまで起きているということもなく、20時消灯でちゃんと寝ていました。

息子は5歳でほとんど昼寝しなかったのに対し、娘は結構昼寝をしていたように思いますが

娘にとっては、寝ないお友達を怒る先生を見ながらこわがって仕方なく寝る時間がなくなり、寝たいときに寝れることは幸せだったと思っています。

 

睡眠も個人差が多々あり、個々の家庭のライフスタイルにも関わってくるので、一律にコントロールするのは、また難しい項目です。

保育園では昼寝は当たり前、幼稚園では昼寝なし。

そんなことも、自分の子供を預けてみて、実際に現場で働いてみて、知りえたことでした。

ようやく昼寝の見直しをしようという声が聞こえるようになり嬉しく思います。

 

保育園のお昼寝についてググってみたら良い記事を見つけました。

 

保育園の“昼寝強制”はストレス 廃止で起きた子どもの変化とは?

 

 

この記事によると、一斉のお昼寝を廃止して、寝るか寝ないかは子どもに決めさせて、

お昼寝しない子は静かに遊んで過ごすようにしたところ

夜の寝つきが良くなり、家での寝かしつけが必要なくなった例もあるとのこと。

昼寝中に行っていた保育士の仕事は非常勤の職員を雇うことでカバーしているとのことで

保育士は掃除や書類作成などの雑務に追われることなく、保育に集中できるし

子どもは子どもで、自分の感覚に従って生活が送れるとあって

双方にも、そして夜はよく寝てくれるようになったことで保護者にも

まさに3方よし、ストレスなしの保育が実現できているのです。

この記事の中にあった一斉昼寝を廃止した園長先生の言葉

 

「子どもが自分の体の変化について自分で気づいて、必要なときはお昼寝したり、静かに過ごしたりできるようになりました」

 

これこそ、育ってほしい子どもの姿ではないでしょうか。

自分の感覚に敏感になり、自分の体が何を欲しているかわかる力。

そして状況を見て、自分の行動を選びとる力。

主体的に生活ができる力が育つ。

それを確信しました。

 

昼寝に限らず、やはり子どもが自分で決める経験を積み上げていくこと

このことが、子どもの育ちにとって大切なことだと思います。

 

どうか一斉に昼寝させることについて

疑問を持ち、そして改善していく保育園が増えますように

 

眠たくない子を無理やり寝かしつけなくてはいけない

これは子どもにとってももちろんストレスになりますが

寝かしつける先生にとっても大きなストレスです。

私はこの昼寝の時間がとても苦手でした。

ほかの先生は怖い顔をしたり言葉で脅したり

ありとあらゆる手を使って寝かそうとするのですが

それを見ているのも苦しかったのです。

きっとそんな保育士さんがたくさんいて

毎日のストレスの積み重ねで、保育は好きだけれど現場を続けられなくなってしまった方もいるのではないかと思います。

私自身がそうでしたから。

先生のストレスも減らして、気持ちよく保育の仕事に集中できますように。

 

赤ちゃんのときは寝たいときに寝ていますね。

子ども時代は寝たいときに寝れる環境を作ってあげられたらと思います。

そういえば、中高生になった我が子たちは、休日はたいてい昼寝しています(笑)

大人も昼寝がしたいときもありますね。

寝たいときに寝れるを大切に暮らしていきたいです。

 

 

 

 

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