アルスラーン戦記 102 | 大掴ひつじ物語

大掴ひつじ物語

たいへん狭い範囲の非常に分類しにくいうえによく途中で切れている記事置き場

一旦その場から逃げたものの「幽閉されている

北の塔から国王さまをお助けする使命がある」

というエステルの話を聞いて「貴人の幽閉用の

建物ならそこに姫がいるかも」とアタリをつけ

戻ってくるメルレイン。

そこで前回ラストにつながって、腹を刺された

ルシタニア国王陛下の悲鳴が響きわたり、

辺りが騒然となる中、またすぐ飛び出していって

また取り押さえられる(泣)エステル。

前回、イノケンティス氏のどてっ腹に剣を

突きこんだイリーナ姫(亡国とはいえ一国の

内親王殿下)、目が見えていればもう少しいい

ところを狙えたかもしれない(酷)が逆に見え

ないながら、よくがんばったなあと感心して

いいのかどうか。

倒れた陛下の周りの兵士は「国王陛下を襲った

のはイリーナだ!」とやけにうれしそうに騒ぎ

まくっている。いや、そこはひくひくしてる国王様

なんとかしてやれよと思う場面。 

その騒ぎが現在のルシタニア首脳陣にとっては

かなりの朗報だったことが報告を受けた王弟

殿下のお顔…うわあ間違いなかったのねと確信

させられる(我々読者) 。

その後、医者からもたらされた診断は「傷は国王

陛下の皮下脂肪がとみに厚い部分で出血の割

致命傷ではありませんでした」とこちらは

あまり朗報ではない内容。

「ものすごくうまくはまった作戦」が皮下脂肪に

阻まれたですって、とこの世の終わりもかくや

というか、あの「悪鬼のようなパルス国王に取り

押さえられた辺り」が次点に見える勢い愕然

する王弟殿下。まことツイてない。・・・のか。

まあ完遂できなかったのはしょうがない。

とりあえずハナシの体裁をととのえるため、

実行犯のイリーナ姫は処刑。なんか騒いでいる

騎士見習いは暗殺を手引きしたことにして

一緒に処刑まとめて火あぶりにしろと

ガッカリが高じたせいもあろうがあまりに

ザツな指示。 

 

それを特に情報統制せず火刑の準備もさっさと

始めたので、その辺の市民の噂話として

マルヤムの姫がルシタニア国王を刺した

らしいぜ」「すげー」「失敗したから処刑

だってー」…という話です、とヒルメス氏に

報告する者があり。

それを聞いたヒルメスさん、「よし立つぞ!

もうルシタニアとは縁切りだ」と宣言。「姫を

助けに行かれるのですね!」とかザンデが

やたら張り切ってるのがいい味でてる。

いい奴なんだよねえ、うん。 

 

いとしの兄君を害した謀反人の最後でも見に

行くか」とか気楽に歩きだした王弟殿下を王宮

廊下途中で狙い撃ちしたのは実は第三勢力の一角、

メルレイン氏。

処刑を中止して姫を引き渡せと要求される

方にとってみれば「誰なんアンタ」という話

だが、かなりの腕前らしい相手に弓で狙われて

いるので迂闊に動けず、じりじり下がるしか

ないというところ。メルレインにしても弓矢が

尽きているのに、さらにがんばろうとする

なかなか男気のある場面。

そこへ「銀仮面卿が大挙して王宮に乱入」と

いう知らせにますます意味がわからない王弟

殿下。まあそうだよな。ホンマになんでこんなに

皆が集まってくるのかわからんだろうとご同情

さしあげるしかない。

そんな話題の中心人物であるイリーナ姫。

一仕事終えて、「なにもかも終わりだわ」と

気分を出していると、おそらく何度も夢みた

であろう懐かしい声が囚われの自分を迎えに

きてくれるという、間違いなく彼女の今までの

人生最大のハイライト。 

その間にも実にマメに動き、北の塔階段下

まで迫ったメルレイン。イリーナ姫を伴い

降りてくるヒルメスさんとばったり。

事情を察し、イリーナ姫に「俺はもう必要ないな」

と語りかけるメルレイン氏。姫も「今までありがとう

ございました」とちゃんとお礼のいえる育ちの

いい淑女のこれまた良い場面。

彼もこれで報われるよね。

さすがに姫が礼を言った相手をどうこうできない

らしく無言でガン飛ばしつつ立ち去るヒルメス氏を

見送り。やれやれと思ってると「わたしは無実だ!

処刑されるいわれはない!ここを出せ!」と主張の

はげしい騎士見習いの声を聞きつけることになる

メルレイン氏。いやホンマ黙って座ってたら見つけて

もらえずにきっちり冤罪処刑されてたハズなので。

マジ自己主張大事。 

 

「最近俺は女どもの護衛ばかりしている」と嘆息

しつつ、幸いにして?大騒ぎになってた隙になんや

かんやで馬も調達して、とりあえず王宮から脱出に

成功したらしいメルレインとエステル。

助けてもらったのに、まだぎゃあぎゃあ言ってる

エステルの様子にあきれつつ「まったくこの頃の

女はおしとやかじゃねえなあ、アルフリードだけ

じゃないらしいわ」、とここで家族の話をぽろっと

してしまうメルレイン氏。

彼の口にしたその「(妹の)名前」ものすごく

聞き覚えのあるエステル。その妹とかいう奴」

ことを詳しく、というところで次回へ。