「こうやって作ったんだよ」
ライトは槍を握っている右手を俺に突き出してくる。
俺は目の前で起きた事を理解できないでいた。
魔術で武器を作り出す事は出来ない。
魔術はあくまで術であって何かを作り出す事は出来ないのだという。
だとすると、ライトは魔術師では無いと言うことだ。
「お前……その力は何だ……」
俺がそう問いかけるとライトは口元を歪ませる。
そして再び黒いオーラが彼女の右手を被った。
「悪魔憑きって、聞いたことあるか?」
「悪魔憑き? 悪魔に憑かれたみたいに荒れ狂う奴の事だろ……」
「あぁ、確かにそれも悪魔憑きだな。でもさ、私の言ってる悪魔憑きってのは少し違うんだよ」
ライトは手に持った槍を肩に担ぐ。
「なぁお前、悪魔って本当に居ると思う?」
「居る、のか……?」
俺がそう言うとライトは不気味な笑い声を上げる。
「居るよ? 悪魔は人間の願望を叶えてくれる、言わば願望器その物だ。私はあの子が死んだ時〝願望器〟に出会った。そしてその時願った、コイツらを殺し尽くす程の力が欲しいって。魔力も無い私は何も出来ない無力な人間だったから、だからライアンも守れなかった」
ライトは自身の右手に視線を向けると、どこか悲しそうな顔をした。
「だから私は悪魔憑きになった。ライアンを殺した醜い思念の残骸を皆殺しにする為にな」
「お前……」
そんな会話をしている時だった。
前の方からヌチャヌチャと言う音が聞こえる。
俺はとっさに視線を前に向ける。
すると炎上する車の方から目の前に倒れている化け物と同じ形をした奴らが数体コチラにフラフラと向かって来ていた。
「まだ居たのか……!」
俺は思わずその場から一歩下がる。
こんな時、魔術騎士団は何をやっているのだろうか。
こう言う時の為にある機関の筈なのに。
するとライトが俺の目の前までやって来た。
迫り来る化け物をじっと見つめている。
そして何故か嬉しそうな顔をしていた。
/続く