第一章 復讐者 70 | Beyond Despair

Beyond Despair

― 絶望の底に落ちた少女の先に待つ運命 ―

「な……!」

そこには予想外の化け物の姿があった。

頭の部分から真っ赤な液体をドロドロと流している。

よく見ると、脳天の辺りにナイフの様な物が突き刺さっていた。

化け物は体をビクビクと痙攣させている。

俺は何が起きたのか理解できないまま、その化け物を呆然と見つめてしまう。

「死んだ、のか?」

俺はフラフラと立ち上がる。

すると体を痙攣させていた化け物が腕の鎌を再度振り上げる。

「ま、まだ生きてんのかよッ!?」

化け物は何かうめき声を上げている。

苦しそうなその声には一瞬、哀れみすら感じてしまう。

化け物はそんな声を上げながら俺に鎌を振り下ろす。

と、その瞬間だった。

俺の顔を何か黒い棒の様な影が横切った。

そしてその影は化け物の心臓部分に突き刺さる。

棒、ではなく槍と言った方が正しいかもしれない。

化け物は槍が刺さっている部分から噴水の様に血を吹き出した。

そしてそのまま地面に倒れ込む。

今度こそ死んだ、そう確信した。

俺は後ろに顔を向ける。

そこにはさっきから何の変化もないライトが立っていた。

「お前、死にたいのか?」

と、低い声でライトは俺を睨んでくる。

「これ……お前がやったのか? でもお前槍なんてどこにも……」

ナイフだって持っていなかったはずだ。

だとすると彼女はどこから武器を取り出したのか。

「あぁ、持ってないな。私はただ作り出しただけだから」

「作り出したって、何を……」

俺の呟きにライトはニヤっと不気味な笑みをこぼす。

そして黒いオーラが滲み出ている右腕をゆっくりと上げる。

すると黒いオーラが彼女の右腕全体を被う。

ライトは右腕の拳を握り水平に振り払った。

そして振り払った直後、彼女の右手には黒い槍が握られていた。

先は鋭く、不気味な形をしているその槍は悪魔の武器かと思ってしまう程だ。



/続く



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