『この電話番号は、現在使われておりません。この電話番号は――』
ピッと携帯のボタンを押し、窓の外を眺める一人の少女。
肩までさらりと伸ばした金紗の髪を外から入る風でなびかせる。
椅子から腰をお越し、一枚の写真に視線を送る。
そこには少女と、少女の大切な友達が写っていた。
「まだ……見つかってないんだ。ごめんね」
少女は写真を見つめながら誰かにそう謝った。
いや、恐らくは〝大切な友達〟に対しての謝りの言葉なのか。
写真を机の上に置くと、少女は壁に立て掛けられている一刀の日本刀を手につかんだ。
鍔の無いその日本刀を鞘から静かに引き抜く。
外から漏れる太陽の光が刀の鋭い刃を輝かせた。
「絶対に……約束は守るから。絶対に、アナタの死を無駄にはしないから」
半分だけ鞘から引き抜く少女の目の前に、黒い人影が姿を表す。
「いいねぇ、いいねぇ、やる気充分って感じじゃねーか」
ゲラゲラ笑うその影に向けて、少女が刀を完全に鞘から引き抜いた。
尖端部分を影の首元に突きつける。
「ヒューっ! 怖い怖い」
両手を上げながら影は少女に笑いながらそう言った。
少女は目の前の影、否、悪魔を睨みつけながら鞘に刀をしまい込んだ。
「それで〝あの子〟は見つかったのかしら、黒刀」
「あぁ、アンタがずっと探し求めている〝あの子〟ね。そいつらしい奴ならさっき見かけたぜ? 駅の方に向かってたと思うけどな」
ニヤニヤと見た情報を悪魔は少女に教える。
そう、と少女は小さく呟く。
/続く