「オイ、コラ護ッ!」
と、急に龍二が俺の首元をグイっと力強く掴んできた。
「ぐぅ!? 急に何だ龍二ッ!」
「随分元気そうじゃねーかよオイ? 体調不良ってのはパチかコラッ!」
「どこをどう見たらそう見えるんだよッ!?」
相変わらずの龍二の態度に少し俺は安心する。
「アァッ!? 人がせっかく心配してやってたってのによッ!」
舌打ちをして龍二は荒々しく手を離した。
何だかんだでコイツも心配してくれてたのか、少し意外だった。
龍二は腕を組みながら俺に背中を向ける。
そんな龍二の頭に火野川が軽く拳を入れた。
「イデッ! 何すんだクソ会長がァッ!?」
「心配してるんなら荒々しく扱わないッ! 何でアンタっていつもそう言う態度しか出来ないのよッ!?」
そして始まったのが火野川の説教タイム。
「そんなんだから学院の先生方からも毛嫌いされるんでしょ!?」
朝とは変わって、火野川もいつものように戻っていた。
龍二を怒鳴る火野川に坂口が割って入る。
「まあまあ、落ち着こうぜヒノッチ。リュウチャンはそう言った態度が出来ない照れ屋さんなんだから」
「誰が照れ屋だッ!? 勝手な事言ってんじゃねーぞ糞豚がァッ!!」
そんな言い争いを俺はただじっと見つめる。
いつの間にか俺は笑っていた。
何だか暗い気持ちがどっかに吹っ飛んで行く感じがした。
「ふふ、ま・も・る・さん♪」
そんな俺にエレナがニッコリスマイルで話しかけてきた。
「え、何だよ?」
「えへ~、やっと笑いましたね~♪」
「……え」
そう言えば、確かにそうだ。
俺は今日、一回も笑ってない。
いや、無理に笑顔を作る事はしたけど。
今みたいに、心から楽しいと思えて笑ったのは初めてだ。
俺は自分の頬に両手を当てる。
今までは、笑うなんて事は当たり前だったのに。
/続く