「やめろッ! くっ、離せこのレズ女ッ!」
「あぁ~その嫌がり方も可愛いよぉ~、ムニムニ~」
今度は人差し指で頬を突っついてくる。
私はこの状況を楽しんで見ているエリックを睨みつけた。
「そんなに睨むな。君だって知人との方が何かと楽ではないのか?」
「楽だと? ふざけるなッ! コイツと居たら楽どころか苦労するんだよッ!」
「そう言うな、彼女はわざわざアメリカからコチラに来んだぞ? 君に会いたい一心でな」
その言葉に背筋がゾゾッとしてしまう。
「ふ~ライトから元気注入してもらったし、そろそろ本題に入りますかッ!」
金髪の女は私からゆっくりと離れると、目の前の長ソファーに腰を降ろす。
「ライト、紹介しよう。彼女は今回の任務の同行者、アイネス・ヴァルハーケンだ」
「……知ってる」
私はアイネを睨みつける。
「ていうか、何でコイツが同行者なんだ? そもそもお前いつ日本に来た」
「えーっとね、今日来たばっかり」
「はぁ?」
「いや、私も急に大佐さんからご指名されたから驚いたんだけどさ。でも、話を聞く限りライトが日本に居るって事が分かったから良かったんだけど~」
ギロりとエリックに鋭い視線を送る。
私とアイネはアメリカの軍で一緒に過ごしていた。
アメリカは今では経済的にも崩壊状態、アヴェンジャー達の数も数え切れない。
大統領は自国の消滅を防ぐ為にアメリカ軍にアヴェンジャー達を迎撃作戦を決行。
その作戦に私も参加していた。
この時だ、私とアイネが出会ったのは。
初めは口数の少ない奴で、アヴェンジャーを前にすると腰が抜けてしまう様な奴だった。
よくこんな奴が軍に志願したと思った程だが。
「でもライト! いくらなんでも酷いよッ! 私に何にも言わずに行っちゃうなんて」
「何でお前に言う必要がある……。お前は私の保護者か?」
「ライトの保護者か~、それも良いな~」
ニヤニヤ笑いながら私を見つめるアイネ。
どうしてか、コイツは私によく絡んでくる。
初めて会った時は弱々しい奴だったのに、いつしかこんな奴になってしまった。
「んで、何でコイツが同行者なんだよ大佐殿」
「君たちが行く第三エリアは別名、ナイトタウンと呼ばれていてね」
「ナイトタウン?」
「そうだ、第三エリア全体が巨大ドームで覆われていてね。唯一太陽の光が入らない街とも言われている。簡単に言うと、その第三エリアは随時夜、と言う訳だ」
朝が訪れない街、という事か。
住んでる住民は全員吸血鬼か何かなのか。
/続く