「実は一ヶ月前から第三エリアで若い女性ばかり狙った誘拐事件が多発していてね。これまで誘拐された被害者数は合計で三十人に登る」
誘拐事件、こんな世の中でもそんな事件は起こるものなんだな。
「それで、私に犯人を見つけ出せ、って話か」
「あぁ、それとは別に頼みたい事もある。昨日のアヴェンジャー出現に伴い、我々魔術騎士団は今まで以上に新都市全エリアの警戒を強化する事になった。そこで、君にはこの第三エリアを誘拐犯を探しながら見回ってもらいたいんだ」
「見回りは騎士団員に任せれば良いだろ」
「団員の人数を増加させるには少し時間がかかる。今回だけだよ」
エリックはそう言いながら机の引き出しから一枚の紙を取り出す。
そして私の目の前にパラっと投げ飛ばしてきた。
「それで、だ。君が先程から気にしている客についてだが――」
エリックが言葉を言い終える時、司令室のドアの向こうから凄まじい足音が聞こえる。
ドスドスと言う足音はだんだん大きくなっていく。
どうやらコチラに向かって来ているようだ。
「お、おい……」
私はゆっくりエリックに顔を向ける。
「ははは、どうやらお出ましのようだな」
お出まし……何が。
あんな物凄い足音出す人間ってどんな奴なんだ。
と、その時、司令室のドアが凄い勢いで開いた。
開いたドアの先に居たのは――。
「げ……」
露出度の高い服を来た金髪の女がそこに居た。
「イッエェェェイッ! ライトォォォォ~久しぶり~」
叫びながら女は私にタックルするように抱き着いてきた。
「はぁ~、会いたかったよ? 私が居なくても元気にしてた? アァ~ン、このヒヨコみたいな髪型、もうライト可愛い~~」
ムニムニと私に頬擦りしてくる女。
なんだってコイツ何だ……。
/続く