「弟を殺したアヴェンジャーに復讐、か……」
ナイトタウン、第一ブロックにある喫茶店で俺は火野川にライトの事を話した。
彼女が何故あの男に従っているのかも、全て。
「で、護はそんな彼女の心を利用して良いように使ってる騎士団が許せないと」
俺は無言のまま頷く。
「でも、利用されてても構わないって言う彼女の考えは、人間としては正しい考えじゃないの?」
「人間として、正しい考え?」
「そう、護だって家族が誰かに殺されたら、殺した奴に復讐したいと思うんじゃない? でも自分一人の力ではきっと殺した相手を見つける事は出来ない。なら、便利な手駒にされても確実に良い情報を提供してくれる機関、組織に入るのと思う。私もきっと、そうすると思うから……」
ガラス張りの窓の外を見つめる火野川の顔は、どこか儚げな感じがした。
「だからってッ!」
「きっと、その事に関しては私達他人がとやかく言う資格は無いと思う。これはライトの問題だから、ライト本人じゃないと、きっと分からないわよ」
そんな事は分かってる。
俺はライトじゃない、彼女が一体どう言うふうに考えているかなんて分からない。
でも――。
―― 昨日、あの公園で……。
―― 殺人鬼の様にアヴェンジャーを殺していた彼女からは……。
「護? どうかしたの」
「いや、なんでもない。話、聞いてくれてありがとな、少し楽になった気がする」
「楽になったって、他人の過去の話をして楽になる奴も珍しいわね」
苦笑いしながら火野川はそう言った。
と、その時、カウンターで注文を終えたエレナ達が帰ってきた。
「いやぁ~、今日は護さんを元気づけようって事でパフェを頼んじゃいましたッ!」
相変わらずのスマイル顔でエレナは椅子に腰掛ける。
その後に続いて坂口、龍二も腰掛けた。
「ちゃんと人数分頼んできましたから~」
「とか言って、護を元気づけようってのは建前で、本当は自分が食べたかったんじゃないの?」
火野川の言葉にエレナはビクッと身体を震わせる。
表情はスマイルのまま、顔中汗がダラダラになっていた。
/続く