震えた小さなライトの呟きにアイネは掛ける言葉を失う。
ライトは拳を力強く握り締め、身を震わせる。
「強がってるだの、説教するだの……!」
ライトは歯をギリっと鳴らす。
ナイトタウンの駅での、ある少年との言い争い。
彼の言葉はライトの心に深く突き刺さっていた。
今まで誰にも言われた事の無い彼の言葉。
何故かライトにとって、彼は厄介に思える存在だった。
でも、あの言い争いでライトはハッキリと理解したのだ。
神崎護と言う少年は、彼女の決意を揺るがす存在であると。
一見はどこにでも居る普通の男子高校生。
なのに彼の言葉はどれもライトの心に深く響きわたる。
それが何故なのかは分からない。
「何であんな奴の言葉でいちいち動揺しなきゃならないんだッ!」
ガツッ! とライトは足踏みをする。
その音で周りの通行人が一斉にライトの方へと視線を向けた。
一斉にコチラを見る通行人をライトは鋭い目付きで睨み返す。
すると通行人はライトからすぐに視線を逸らした。
「ち、ちょっとライト?」
その声にライトはハッと我に帰る。
さっきから声を掛けていたアイネはやっとライトが反応した事にホッと息を吐いた。
「もぉ~心配したよ~。話しかけても全部スルーするし、触っても全然反応しないし」
「あぁ、すまない……」
ライトは軽く謝ると顔を下に向ける。
アイネはそんなライトの肩を軽くポンと叩いた。
「ホラホラ、早く行こ? 任務任務~」
アイネは明るい声でそう言いながらライトを抜いて先に進む。
本当は何故身体を震わせていたのか、何を呟いていたのかを聞きたかったが、アイネは何も聞かずに先に進んだ。
今は、そうした方が良い気がしたからだ
/続く