Beyond Despair -35ページ目

Beyond Despair

― 絶望の底に落ちた少女の先に待つ運命 ―

一枚、一枚と。

火野川の様にはあまり考えず、半分適当に。

そして引いたカードを横に並べていく。

「うっし、引き終えたぞ」

「おうおう、マモッチの運命やいかにって感じ」

「お前の事だからろくな結果はでねーだろうよ」

「お前らな……!」

俺をいやみたらしい目付きで坂口と龍二が見つめてくる。

友達にこんな事を言うとは……。

でもまぁ、火野川と比べたらあまり良い結果にはならないだろうが。

「でわ、一枚目のカードオープンです!」

そしてエレナは並べられたカードを今度は右から捲っていく。

「一枚目のカード番号は15、悪魔ですね。逆位置の意味は新たな出会い、覚醒です」

「げぇ……よりによって悪魔とか」

つい頭を抱えてしまう。

なんと不吉なカードを初めから引き当てたものだ。

「でも逆位置ですから、そんなに気にしなくても大丈夫ですよ。それにこれ占いですし」

「最後の一言は占い師としてどうかと思うけどな……」

いや~と笑いながらエレナは二枚目のカードを捲る。

「二枚目のカード番号は21、世界ですね。逆位置の意味は調和の崩壊、未完成です」

このカードは何気にあってるんじゃないかと思ってしまう。

調和ではないけど、日常は壊れたからな。

「やばい、テンション下がってきた……」

「え、えーっと、これは紙切れで出来たカード占いなんですから、そんな真に受けなくても大丈夫ですよッ! くじ運と同じです!」

凹む俺にエレナがフォローを入れる。

「そ、そうですよね~」

何とか笑みを作ってエレナにそう呟く。

するとエレナは首を縦に振った。

「じゃ三枚目のカード行きますよ?」

そして三枚目のカードを捲る。

「カード番号1、魔術師のカードですね。正位置の意味は可能性、チャンスですね」

「へー護とは無縁のカードじゃない」

三枚目のカードを見つめながら火野川はボソリと呟く。

確かにそれは俺も思っていた事だ。

俺は魔術を使う上で必要な魔力が無い。

そんな俺に魔術師のカードが出るとは。



/続く



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「そんな身体でいちいちリアクションしなくても……」

俺達の反応に少しショボンと落ち込むエレナ。

そりゃそうだろう、最後の最後で〝と勝手に思いました〟ってな……。

もう少し綺麗に占い師らしい結論を出して欲しかった。

「エレナ、今の占いの評価は星五点中一点な」

「えぇッ!? せめて三点ですよッ! 運命の輪の意味を踏まえて解説出来なかったのは認めますけど、それ意外はちゃんと上手く組み合わせ出来てたじゃないですかッ!!」

「最後の一言が余計だったんだよ……」

それが一点評価の理由である。

「ま、まぁ別に私は気にしないけどね。運命の輪意外は何気にあたってたし」

「にゃ? そうなんですか」

「まぁね、少しだけどね」

火野川の言葉にエレナが俺をキリっと睨みつけてくる。

先程の評価を撤回しろ、と言わんばかりの目付きだ。

「はいはい、三点な」

俺がそう言うとエレナは両手を万歳しながら喜んだ。

そしてテーブルに散らばったタロットカードをかき集める。

「じゃ今度は護さんの番ですよ~」

「ゴマ太郎鉛筆で決めるんじゃないのか?」

「護さんを占いたくなったんですよ」

ニッコリスマイルで微笑むエレナ。

先程同様にカードを束に戻し切り始めるも、また何枚かテーブルに落ちてしまう。

テーブルに落ちたカードを悲しい目でエレナは見つめる。

「不器用、なのか……?」

小さな声で俺はそう呟いた。

「まったく……」

そんなエレナの頭を火野川は優しく一回撫でる。

そしてタロットカードをエレナに代わって切り始めた。

「ほい、出来たわよ占い師?」

「へへへ……今度カードの切り方教えてください~」

エレナの言葉にはいはいと火野川は返事をする。

「でわでわ、護さんを占わせていただきますよ~」

エレナはそう言いながらタロットカードを丁寧に並べる。

そして先程と同じくぐしゃぐしゃにかき混ぜた。

何度かかき混ぜるとエレナは俺に顔を向けてくる。

「でわ、先程の愛花さんと同じくカードを四枚、引いた向きのまま置いていってください」

ほいよ、と俺は返事をするなりぐしゃぐしゃに散らばったタロットカードを引いていく。



/続く



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「いや、簡単って言うよりシンプルって……同じ様なもんか」

「でわ早速始めたいと思います~」

俺は顔を上げる。

するとエレナがやや真剣な顔つきでテーブルの中心にゴマ太郎の絵柄が書かれた鉛筆を真っ直ぐ縦に置く。

「さて、でわ倒しますよ~ッ!」

と、エレナは気合を入れると鉛筆から指を離した。

そして、ゴマ太郎印の鉛筆が倒れた先は――。

「え、わ、私?」

火野川の方へと真っ直ぐに鉛筆の先は向いている。

「おぉ~、でわ初弾は愛花さんに決定いたしましたぁ~!!」

パフパフと言う効果音がエレナの背中から聞こえた気がするのは気のせいか。

火野川はまさか自分に来るとは思っていなかったらしく、深いため息をこぼす。

「私、占いとか良い結果でた事ないんだけどな……」

「大丈夫ですよ、占いなんてしょせん運ですしね」

頭を抱える火野川に笑いながらエレナはそう言った。

そして丁寧にタロットカードをテーブルに並べていく。

「よし、でわシャッフルしますね~」

今度は並べられたカードをぐしゃぐしゃにかき混ぜる。

「じゃー愛花さん、このカードを四枚引いてください。あと、引いた時の向きは変えないで下さいね?」

「はいはい……」

火野川は乗り気の無い声でそう返事をすると、タロットカードを一枚一枚引いていく。

「んー、これ、いやコッチか……」

ブツブツそんな事を呟きながら慎重にカードを選ぶ火野川。

まぁ、コイツの事だ。

生徒会長で成績優秀、そして外見も黙っていれば周りが認める美人である。

きっと良いカードを拾い当てるだろう。

「よし、四枚引き終えたわよ」

そして四枚、引いた時の向きのままカードをテーブルに綺麗に並べた。

「でわでわ、愛花さんを占わせていただきます」

そう言いながらエレナは火野川の並べたカードを左から捲っていく。

「えーまず一枚目は番号8、力のカード。正位置ですから勇気ですね」

エレナは一枚目のカードの意味を解説しながら二枚目を捲る。

「次はカード番号5、教皇のカード。正位置の意味は自信、思いやり、優しさですね。うんうん、愛花さんにピッタリです」

そしてエレナは三枚目のカードを捲る。

「三枚目のカードは番号7、戦車のカード。今度は逆位置ですね、意味は暴走、不注意、自分勝手です。これは愛花さんからは想像出来ませんけどね~」

三枚目のカードをユラユラ揺らしながらエレナはそう言った。

「でわ最後のカードをオープンしますッ!」

そしてエレナは最後のカードを捲る。

「えーこれはカード番号10、運命の輪のカードです。正位置の意味は出会い、定められた運命ですね」

エレナは全てのカードを捲り終えると火野川に視線を向ける。

「それで、これで何が分かるの?」

「まぁ、ここからは私の勝手な考察ですけどね。私が推測するに、愛花さんは勇気のある人で自信、思いやりがある優しい人なんですね~。でも何かが原因で暴走してしまう点があるのかもしれません。そんな愛花さんに何か運命的な出会いがあるッ!と勝手に思いました」

最後のエレナの言葉に俺達四人全員顔をテーブルに叩きつける。



/続く



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