その後に続くように護も周りの人に声を掛ける。
勿論話しかけた全ての通行人が首を横に振っていた。
「ダメか……写真見せても見てないなんて」
「本当にこの辺りに居るのかアイツ……」
護と愛花は深いため息をこぼす。
ふと、私は一つ嫌な仮説を導き出していた。
私とアイネが男の死体を見つけた路地裏通りはここからたいして離れていない。
もしあれが誘拐犯本人の仕業だとすれば、この近くをウロウロしていたとされるエレナの行方不明の原因も頷けてしまう。
この仮説が正しければあのスマイル女は運の悪い宝くじの当たりを引いてしまった事になる。
「って、何真剣に考えてんだ私は……」
自分の馬鹿げた考えに頭が痛くなる。
何で私はコイツらに協力的な考えを巡らせていたのだろうか。
私は関係ない、私には他にやるべき事がある。
そもそもそんな運の悪い当たりなんて、そうそう引ける物でもないだろうに。
私は護と愛花に視線を向ける。
二人には悪いが、私はお前達に構ってる暇は無いんだ。
私は二人に背を向ける。
「ライト? 行くの」
「あぁ、だいだい迷子探しなんて依頼されていないからな」
護を殺意混じりの目付きで睨みつけていたアイネにそう呟く。
そのまま私達はその場を去ろうとした、その時だった――。
「今の話、本当ですか!?」
後ろの方から愛花の声が聞こえてきたのだ。
振り返るとそこには愛花と護、そして何やらガラの悪い男が二人。
どうやらあの二人に聞き込みをした結果、らしい情報が得られたらしい。
「それで、その男はどこに向かって行ったんですかッ!!」
―― 男。
その言葉にさっきまで迷子探しに興味の無かった私の心が一変した。
「何だって、こう悪い運勢は引き寄せる事が出来るんだろうな私は」
自分のさっきまで思っていた事が的中してしまい、愚痴をこぼしてしまう。
これが神様の仕業なら少しばかり度が過ぎている。
が、今はそんな事はどうでも良い。
私は愛花達へと向き直る。
「ライト? どうかしたの?」
「見つけたよ、手掛かりって奴をな」
アイネに笑いながらそう言うと、私は護と愛花を気だるそうに相手している男二人に近づいて行く。
/続く