「ふぅ~、マジで死ぬと思ったよ」
汗をダラダラ首から流す坂口が息を荒くしながらそう言った。
「お、おぉう……オレでもさすがに死を覚悟したぜ」
いつもは乱暴な口調の龍二も坂口の言葉に同意と言わんばかりにそう答える。
護は何も言わず、ただ呆然と上を見上げていた。
私はエレナをゆっくりと座らせると、その隣に腰を下ろす。
「にしてもあのクソ女、オレらを見捨てて自分だけ逃げやがってッ!!」
地面に拳を叩きつけながら龍二はそう怒鳴り散らす。
彼のその言葉に誰も何とも答えようとしない。
私も何て言えばいいのか分からない。
正直、ライトがあんな事をするなんて思ってなかったから。
嫌な沈黙は数分続く。
一先ずここに居れば、アイネさんが騎士団に連絡を入れてくれている訳だし安全だろう。
と、そんな事を考えている時だった。
今まで座っていた護が唐突に立ち上がったのだ。
私を含む四人、護に顔を向ける。
「マモッチ、どうしたん? トイレ?」
「ちょっと、ライトを探しに行こうと思ってさ」
その、当たり前の事の様に答えた護の言葉に私達は固まってしまう。
それから数秒後、龍二は立ち上がるとすぐさま護の襟元をグイっと力強く掴んだ。
「テメー何言ってんだァ!? あの女はオレらを見捨てたクズ野郎だぞオイッ!! そんな野郎を探しに行くだァ!?」
激しく護の身体を揺らしながら怒鳴りつける龍二。
そんな龍二が掴む手を護はサッと振り払う。
「お前がキレるのも分かるよ。けど、アイツ……震えてたんだ」
護は顔を曇らせてそう答える。
「そりゃアイツが俺達にした事はマジで頭に来る。けど……放って置けないんだよ」
護の言葉にライトがこの廃墟を出ていく時の映像が脳内で再生される。
そう言えば、口では突き放つような事を言っていたけど……。
微かに、彼女は身体を震わせていた様に見えた。
さっきは少しパニック状態だったから気付かなかったけど。
「それで、護はどうしたい訳?」
私は分かりきった質問を護にする。
すると護は――。
「ライトを探して、ちゃんと話したい」
そう、真剣な表情でハッキリと答えた。
/続く