愛花はゆっくりと右腕を私の方へと突き出してきた。
そして手の平を静かに広げる。
「私がキレてるのはね、アンタがどうしようもなく自己中心的な女だからよ。自分の目的の為なら周りの人間が傷つこうが関係ない、そんな奴」
コチラに向けられる右腕に絡まる様に赤く光るラインが引かれる。
「私ね、人間でそう言う奴が一番嫌いなのよ。どうしてだか分かる? それはね、私の姉さんがそう言う最低の人間だったから」
「……姉さん?」
と、愛花が言葉を言い終えると同時に、彼女の手から魔弾が拘束で放たれた。
「……ッ!?」
余りにも急な攻撃。
先のグリードとの殺し合いの時もそうだが、どうも今日の私は油断しているらしい。
そうで無ければこんな、武器を作り出すのに間に合わないなんて事にはならないからだ。
魔弾は赤く、燃え上がりながらコチラに猛速の速さで迫ってくる。
かわすにも間に合わないだろう。
――けど、仕方ない。
こうなったのは私が原因なんだから。
だから、ここで仮に愛花に殺されるのなら、それは仕方ないと思った。
と、諦めかけた時――。
「ライトッ!」
護が魔弾から私に被さるように庇ってきたのだ。
それと同時に後ろの方から激しい爆発音が聞こえてくる。
愛花の放った魔弾がどこかに衝突したのだろう。
「……お、お前」
目の前には神崎護の顔。
護は息を荒くしながら愛花の方へと顔を向ける。
「火野川……! なんのマネだお前ッ!!」
「邪魔しないでくれる?」
「何でこんな展開になんだよッ!」
「さっきも言ったでしょ? その子は私が一番許せない人間の類だって」
いつも明るい護と愛花の会話が、今では互いの事を睨みながらの会話になっていた。
「待てよ火野川! 確かにコイツのした事は許せない、だけど――」
護は一瞬、私に視線を向けてくる。
そしてすぐに愛花に視線を戻した。
「コイツ、泣いてたんだ。俺達の事を置いていった事に罪悪感を感じて泣いてたんだよッ!! って事はコイツにも善意の心があるって事だろうが!」
護は必死に愛花を説得する。
が、そんな護の必死の言葉は彼女には届いていなかった。
/続く