「黒髪の姉さん? その人知り合い?」
坂口の言葉に疑問を抱いたのか、愛花は極道に顔を向ける。
すると極道は全くの赤の他人だ、と答えた。
「でもその人、何でアンタ達がエレナ探してるって知ってたのかな」
さぁ、と坂口と極道が同時にそう答える。
しかし、愛花の言う通りだ。
何でその黒髪の女はコイツらがスマイル女を探している事を知っていたんだ。
そしてどうして、その場所を明確に教える事が出来たんだ。
「まぁ、考えてても仕方ないか。そんで、護はこの二人が目に入ったからそっちに行ったと?」
「あぁ、五階の廊下を何かがウロウロしてる様に見えたからな」
ニコリと、笑いながら護は言った。
なるほど、だからコイツの足音が聞こえなくなった訳か。
少しでも心配した自分が馬鹿らしく思える。
と言うか、もしこの二人じゃなくアヴェンジャーだったらどうするつもりだったんだろうか。
「けどまぁ、エレナは無事みたいで良かったな」
護はそう言いながら震えるエレナへと歩み寄ると、愛花と同じ様に彼女の頭を優しく撫でた。
「今は何も言わなくて良いから、落ち着けな?」
「……はい」
と、今まで暗い表情だったエレナが少しだけ笑みを浮かべた。
「うんうん、一先ず安心って感じですかね」
「ったく、心配かけさせんなっつーのッ!」
坂口と極道もエレナに近づきそう彼女に声をかけた。
そんな中、何故か私は一人虚しい孤独感を味わっていた。
コイツら五人は互いにニコニコと笑っているのに、私一人だけ笑えない。
いや、きっと私はコイツらを友達と思っていないからなんだろう。
だからスマイル女が無事であっても、良かったとかって安心出来ないのだ。
私は五人から顔を背ける。
「何を考えてるんだ、私は……」
友達なんて、私には今まで出来たことなんて一度も無い。
いや、表上でならそう振舞ってくれる奴も何人かは居た。
けど、そのどれもが最後になって私を裏切って行ったんだ。
中学二年の辺りだったかな、そう言う事があったのは。
だから私は友達とか友情とか、そう言うのは大嫌いなんだ。
そう、嫌いなんだ、嫌いだったんだ。
/続く