第二章 友達の絆 82 | Beyond Despair

Beyond Despair

― 絶望の底に落ちた少女の先に待つ運命 ―

「しかし誘拐事件の次は猟奇殺人かぁ……、日本も物騒になってきましたね」

「……あれ、人がやったように見えるのか?」

猟奇殺人とかバカな事を口走る警官を睨みつける。

「あれは殺人じゃない、間違いなく化け物の仕業だよ」

「化け物……アヴェンジャーがこのエリアに現れたと言うんですかッ!?」

警官達は互いに顔を見つめ合う。

信じられない、とでも言いたそうな顔つきだ。

こんな事で動揺するなんて、コイツらは無能以外の何者でもない。

いつ現れても不思議じゃない化け物だってのに。

私はイラっとして舌打ちをする。

ベンチから腰を上げ、アイネの手を掴んだ。

「じゃ、後は頼んだぞ? 警官殿」

私の言葉に警官達が困った顔をしている。

けど私はそんな警官達には目もくれずにその場を立ち去る。

あんな奴ら何の頼りにもならないと思ったからだ。

「結局、今の警官なんてもんは飾りと言うことか」

早くエリックが警備を強化してくれないかと、初めて思った。

「ら、ライト……どこ行くの?」

「さぁな……正直、私もおてあげだ」

肩をすくめながらアイネに答える。

アヴェンジャーが今回の連続誘拐事件の犯人と関わりがある事は間違いないだろう。

けど、残念ながら肝心の犯人についての情報がまったく手に入らないのだ。

聞き込みもしたし、男がつけていた女が誘拐された現場にも足は運んだ。

まぁ、そのせいで気色悪い物を見てしまった訳だが。

けど現場には男の死体以外は何も無かった。

犯人の手掛かりになる物さえ、だ。

正直、こんかいのエリックの依頼は達成出来そうにない。

この街は監視カメラすら付いていないとエリックが言っていたしな。

「手掛かりが無いんじゃ、仕方ないね……」

アイネは気まずそうにそう言ってきた。

まだ自分のせいでこうなったと思っているのだろうか。



/続く



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