第二章 友達の絆 76 | Beyond Despair

Beyond Despair

― 絶望の底に落ちた少女の先に待つ運命 ―

物音は何もしない、ただ自分の足音だけが響きわたる。

気のせいか、少し寒気を感じる。

しばらく歩いていると点滅している街灯が目に入った。

そこには、とんがった髪型をした男の人が佇んでいた。

私は立ち止まり辺りを見回す。

声の主はどこにも見当たらない。

そうなると――。

「あ、貴方ですか? 私を呼んだの……」

恐る恐る男に声をかける。

すると男はゆっくりと私に顔を向けた。

そして口元を優しくニヤっと歪ませる。

「呼んだ覚えはねーんだけどな。けど、そうか、アンタが〝女神の耳〟の持ち主って訳だ」

意味不明な言葉を口から吐き捨てるとんがりヘアーの男。

女神の耳って、何かゲームか何かの設定か何かですか?

この人、中二病?

「あの、何言ってるんですか?」

「だからさ、アンタの耳だよ耳。聞こえたんだろ、命の嘆きってのがよ」

命の嘆き?

さっきの声の事を言っているのだろうか。

「今だって耳を澄ませば聞こえる筈だ」

「さっきから何を言って――」

るんですか、と言おうとした時だった。

頭に釘でも打ち付けられたかのような激しい頭痛が襲う。

私は頭を抱え込み、その場に膝を着いてしまった。

この、痛みはなに?

キーンと、金属が擦れるような音が脳内に響きわたる。

耐えられず、私はその場にうずくまるように倒れ込んだ。

「あ、あぁッ!! がああ、いやぁああ!!」

頭が、割る……!!

金属が擦れる様な音が、今では何かの悲鳴の様に聞こえて来る。

いや、きっとこれは悲鳴、嘆きなんだ。

男の言っていた、命の嘆き。

その嘆き声が私の脳に直接突き刺さっている。

「や、め、てッ!! 頭がぁ、がっああ!!!!」

このままだと血管が切れると思うくらいの激しい痛み。

身体はビクビクと痙攣さえお越している。

もう、限界、そう思った時だった。



/続く



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