視界に赤い飛沫が映る。
赤い、血飛沫?
それと同時に頭の激しい痛みが消える。
私は息を整えながら身体を起こす。
すると目の前にいるトンガリヘアーの男が苦しそうに片膝を着いていた。
心臓部分に黒い剣の様な物が突き刺さっている。
「え……!!」
慌てて周りを見渡す、けど誰も居ない。
ここには私と、血を流す男の人だけだった。
私は立ち上がり、男に駆け寄る。
「だ、大丈夫ですかッ!? 待っててくださ、今治療しますから」
私は両手のひらを男の人の心臓部分に向ける。
私は攻撃的な魔術は苦手だけど、治癒魔術は得意なのだ。
力を込めて、私は傷を塞ごうとする。
だけど出血は止まらない、剣が刺さっているからだろう。
私は突き刺さる剣を握ると、力強く引き抜こうとする。
「ぐう~、痛いかもですけど、我慢してくださいッ!」
私はそう言いながら黒い剣を引き抜こうと力を込める。
そんな私の手を男が優しく掴んできた。
「やめとけ嬢ちゃん、これ抜いたらまた痛くなるかもしれないぜ?」
「えぇ……」
そう言うと男はゆっくりと立ち上がる。
そして私の頭を優しく撫でてきた。
「にしても、こんなに若いってのはちっとな~。気が乗らねーっつーかよ」
私の頭かた手を離し、男はしゃがみこんで私に顔を近づけてきた。
「嬢ちゃん、俺はアンタを誘拐する事が目的な訳なんだが、OK?」
「誘拐?」
と言うことはこの人がライトさん達が探している連続誘拐事件の犯人?
「え……本当に貴方が誘拐犯、なんですか?」
思わずそんな質問をしてしまう。
私はこの人がそんな事をするような人には見えないから。
/続く