第二章 友達の絆 64 | Beyond Despair

Beyond Despair

― 絶望の底に落ちた少女の先に待つ運命 ―

勿論、老人も狙うと言った事ならあの婆さんにも付き添わないといけないわけだが。

「ねぇ、ライトってお年寄り嫌いなの?」

と、唐突にアイネはそんな質問を投げかけてきた。

「……何でそう思うんだ」

「だって、何かあのお婆さんに聞き込みしてた時すごくイライラしてたし」

「……」

そんなにイライラしていただろうか。

あまり自覚はないのだが。

「別に嫌いって訳じゃない。かと言って好きって訳でもないけど」

「普通って事?」

私は頷きながら暗闇の道を歩く。

ナイトタウン、その名の通りの夜の街。

この街には街灯や店の灯り以外の、光を差す物が存在しない。

中には明るくて歩きやすい道もあれば、暗すぎて歩く事すら不可能な道までもあるらしい。

恐らく、連続誘拐事件の犯人が隠れている可能性があるとしたら。

「ら、ライト? もしかしてこの道に入るとか言わないよね?」

路地裏への入口を前に身体を少し震わせながらアイネが私にしがみついてきた。

「こ、ここ灯りも無いし……痴漢とか居るかもしれないよ?」

「痴漢か、そいつらにも話を聞いても悪くないかもな」

「じ、冗談でしょ!! もしかしたらおっかないおじさんとかも居るかもしれないし……」

私はアイネの腕を振りほどき、路地裏へと入っていく。

「ライト……くぅ~」

アイネは周りを警戒しながら私の後に付いてくる。

賑やかに商店街と違い、路地裏には私達の足音が響きわたる。

ゴミ箱を漁る野良猫が私達に気づいたんか、早々に何処かへと去っていった。

後ろから付いてくるアイネが私のコートを掴んでいるのが分かる。

しばらく歩くと点滅している街灯が目に入った。

私は一旦足を止める。

「え、ライト? どうかしたの」

アイネに静かにしろとジョスチャーし、点滅している街灯のしてに座り込んでいる男を睨みつける。

ナイトタウンの住民は誰もが豪華な格好、服装をしているのに対して、この男は地味な服装だ。

私は座り込んでいる男にゆっくりと近づいていく。

近くまで寄ると、男は私の方へと顔を向けた。

歳は三十代後半と言った所だろうか。

「何だ、女」

初対面の相手に随分なご挨拶だな。

まあ、初対面の女に意味不明な事を言ったツンツン頭の男も居るが。



/続く



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