私は悪魔から目を逸らす。
「まさかとは思うけど、怖がってんのか? アイツらの事」
冷たい声で悪魔は私にそう聞いてきた。
「怖がってなんて……ない……」
「ならどうしてあの時震えてた? どうして涙を流した」
その言葉に、私はどう反論して良いか分からなかった。
ただ黙って、悪魔から視線を逸らす。
すると悪魔は私の両胸を両手で力強く掴んできた。
「あぁッ!」
痛みで声が出てしまう。
それでも悪魔は容赦なく私の胸を掴む手に力を入れていく。
「ハァ、んぅ、あぁッ! やめ、ろ……」
いつのまにか目には涙が溜まっていた。
それに気づいたのか悪魔は胸から手を離す。
そして私の頭を優しく撫でてきた。
「過去に囚われたまま戦うから悪夢なんて見るんだぜ? もうそんなの見たくなかったら、切り替えるこった」
コイツはたまにこんな事を言ってくる時がある。
体を舐めたり触ったりしてきたのは今回が初めてだけど。
「出来ることなら、オレはアンタを……」
何故か、悪魔は私を寂しげな目で見つめてきた。
それから鼻で軽く笑うと私の体から離れ、立ち上がる。
私は体をお越して両頬と首についたヨダレを拭き取った。
そして悪魔に殺意混じりの視線を向ける。
「ヒュー、怖いねその顔。初めて会った時はそんな顔なんて持ってなかっただろうに。オレ的にはあん時のアンタが好みなんだけどね」
私は何も答えず、ただ目の前の悪魔を睨み続ける。
「あー悪かったって! 別に興奮してやった訳じゃねーんだぜ? ただ少しご褒美が欲しかったっつーか何つーか」
苦笑いしながら言い訳をする悪魔。
私はナイフを作り出して悪魔に投げ付けた。
ナイフは悪魔の首をギリギリ外れて壁に突き刺さる。
「今度こんな事したら……ただじゃおかない」
私はベッドから出ると、床に置いている赤いコートを羽織る。
そしてテーブルの上に置かれた携帯を手に取った。
携帯の画面にはメール受信のメッセージが表示されている。
差出人はエリックと書かれていた。
/続く