第一章 復讐者 67 | Beyond Despair

Beyond Despair

― 絶望の底に落ちた少女の先に待つ運命 ―

何故この状況で冷静でいられるのか。

気が付けば俺の足は震えていた。

今までの日常が崩れていく感覚。

当たり前の毎日が崩れていく予感。

「やることって、何やるってんだよ!?」

俺は無意識にライトの両肩に手を乗せていた。

「早く逃げねーと死んじまうんだぞ!? お前だって知ってるだろ、アヴェンジャーって化け物の事はッ!」

必死にライトの体を揺らす。

しかしライトは俺の手を払い除けると、じっと俺を睨みつけてきた。

蒼い目が俺を睨む。

「あぁ、知ってるよそれくらい」

「なら何で!」

「逃げるなら一人で逃げろ、そう言っただろ」

そう言うとライトは俺を横切り、第三ブロック方面へと向かっていく。

「バカ野郎! そっちに化け物が居るんだぞ!」

俺はライトへと駆け寄り彼女の右手を掴む。

どこまでもコイツの行動が分からない。

するとライトは俺に顔を向ける。

「お前、しつこいぞ」

「お前、何する気なんだよッ!」

俺がそう言った瞬間だった。

ライトの体から、何か黒いオーラの様な物が滲み出ているのだ。

俺は思わず彼女から手を離す。

「な、何だ……それ」

黒いオーラは彼女の右腕から滲み出ているようだった。

「魔術……なのか?」

俺のその言葉にライトは口元を歪ませた。

何故か今の彼女からは人間性が感じられない。

どちらかと言えば化け物の様に感じてしまう。

一歩俺はライトから下がる。

と、背中の方から爆発音が鳴り響く。

振り返ると公園の近くに止まっていた車が爆発したようだった。

その周りを逃げていた人間が体を震わせながら地面に倒れている。

足がさらに震える。

〝もうこの近くにいる……!〟



/続く



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