「なぁ、お前」
と、一言話さなかったライトが俺に話しかけてきた。
「ん、どうかしたか?」
「私の……どこが強がって見えるんだ?」
その言葉に一瞬ためらう。
「どこがって言われてもな……。ただそう思っただけだけど?」
「答えになってない」
食べ終えたホットドックの袋を握りつぶし、ライトはコートのポケットに突っ込む。
そして先程の俺同様、空を見上げた。
「何でそう思ったんだ」
低い声で彼女はそう呟く。
「何でって言われてもな……。って、お前まだ怒ってんのか?」
怖々と彼女にそう問う。
もしかしたら殴られるかするかもしれない。
それくらいの覚悟は出来てはいるけど。
しかし、そんな俺の予想はあっさりと裏切られた。
「別に怒ってないよ」
ライトは軽くそう呟いた。
一瞬耳を疑う程だ。
いや、コチラとしては助かるのだが。
「ただ、初めてだったからさ。あんな事言われたの」
囁く様に彼女はそう言うと、再びストローをすする。
そして飲み終えたのか、紙コップを公園のゴミ箱に投げ込んだ。
紙コップは残りの水分をこぼす事なく見事にゴミ箱に入る。
入る事を確認すると、ライトは俺へと顔を向けてきた。
ただ何も言わずに蒼い目が俺を見つめてくる。
俺は視線を逸らしながらホットドックを口に運ぶ。
「何で目を逸らす」
「見つめ合いながら食わなきゃいけない規則でもあんのかよ?」
くだらない言い訳をしながら俺はムシャムシャとパンを口に運ぶ。
しかし、残り少なかったホットドックは数秒で消滅してしまった。
袋をポケットにしまい込む。
何故かは分からないが、ライトはまだコチラを見つめている。
/続く