第一章 復讐者 61 | Beyond Despair

Beyond Despair

― 絶望の底に落ちた少女の先に待つ運命 ―

「クッ! 離せこのクソオタク!」

ズルズル俺ごと引きずりながら赤コートの女は渡り廊下へ出る。

「頼む! じゃ何か買ってやるから!」

「私は子供じゃないんだぞ!?」

「嘘つけ! 俺らと同い年だろうが!」

もしこのままこの女に許してもらえなければ、間違いなく火野川に焼かれる。

いや、下手すると天国に行かされる可能性も無くはない。

と、気が付けば俺達は既に昇降口に到着していた。

「お前、いい加減に離れろ!」

しがみつく俺を赤コートの女が蹴りつけてくる。

そのせいで俺は両腕を彼女の腰から離してしまった。

「のわ!?」

ズドンと、頭を床に激突させる。

おデコを抑えながら頭を上げると、赤コートの女が俺を見下ろしていた。

俺は視線を逸らすため、渡り廊下の方へと顔を向ける。

って、アイツら追いかけて来てないぞ。

俺がこんな目にあってるにも関わらずスルーするなんて!

目から涙を流しながら俺はその場にうずくまる。

と、その瞬間だった。

ギュ~~っと、力が抜ける様な音が昇降口に響きわたる。

腹の音か?

でも昼はちゃんと食ったから、俺な訳ないし。

「もしかして……」

俺は目の前の少女へと顔を向ける。

少女はさっきまで俺を見下ろしていた顔を背けていた。

どうやら俺の予感は当たっていたらしい。

俺はフラフラと立ち上がる。

「お前、腹減ってんの?」

俺のその言葉に目の前の少女は体をピクっとさせた。

「……食べてくるの忘れたんだよ」

小さな声で彼女はそう呟く。

そいてコチラにチラっと顔を向けてきた。

どこか恥ずかしそうな顔をしている。

とてもさっきの彼女とは思えない。


/続く

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