第一章 復讐者 59 | Beyond Despair

Beyond Despair

― 絶望の底に落ちた少女の先に待つ運命 ―

「……」

俺のその一声にしばらく沈黙タイム。

そして、最初に声を上げたのが――。

「アンタはぁ……! これ以上ライトを怒らせてどうするのよ!?」

声を荒らげた火野川だった。

「この子、マジギレしてるの分からないの!?」

冷や汗をかきながら火野川は俺に問いただす。

まぁ、すんげー睨んできてはいるけどな。

「分かるよ、でもちゃんと貼り紙見れば入らなないで済んだはずだぜ?」

部室のドアに貼られている紙を剥がす。

そして赤いコートを羽織った外国人少女の前にその貼り紙を突き出した。

「ほら、ここに書いてあるだろ? 〝部屋に入室した者は強制的に新入部員となる〟 って」

「ふざけんなよツンツン髪、そんなに小さく書いてあったら気づかないだろうが」

「慎重に見りゃ分かるだろうが。つか何でこんな部屋に入ろうと思ったんだ? 見るからに怪しい部屋だろ」

自分で作っておいてなんだが。

「少し休もうと思ったんだ。そしてら変なサイレンが鳴るは、勝手に部員にさせられるは」

プイっと顔を背けながら目の前の少女はボソっと呟く。

休むのなら中庭や購買に行きゃいいってのに。

俺は貼り紙をドアに貼り直す。

「でもなぁー、決定事項だからなー」

髪の毛をかきながらそんな言葉を口にする。

実際この手で火野川も部員になったんだし。

「お前らの部活とやらに付き合ってるほど、暇じゃないんだぞ」

「こればかりは退けねーよ」

俺はポケットから缶バッチを取り出す。

それを目の前の少女に差し出した。



/続く



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