「……」
俺のその一声にしばらく沈黙タイム。
そして、最初に声を上げたのが――。
「アンタはぁ……! これ以上ライトを怒らせてどうするのよ!?」
声を荒らげた火野川だった。
「この子、マジギレしてるの分からないの!?」
冷や汗をかきながら火野川は俺に問いただす。
まぁ、すんげー睨んできてはいるけどな。
「分かるよ、でもちゃんと貼り紙見れば入らなないで済んだはずだぜ?」
部室のドアに貼られている紙を剥がす。
そして赤いコートを羽織った外国人少女の前にその貼り紙を突き出した。
「ほら、ここに書いてあるだろ? 〝部屋に入室した者は強制的に新入部員となる〟 って」
「ふざけんなよツンツン髪、そんなに小さく書いてあったら気づかないだろうが」
「慎重に見りゃ分かるだろうが。つか何でこんな部屋に入ろうと思ったんだ? 見るからに怪しい部屋だろ」
自分で作っておいてなんだが。
「少し休もうと思ったんだ。そしてら変なサイレンが鳴るは、勝手に部員にさせられるは」
プイっと顔を背けながら目の前の少女はボソっと呟く。
休むのなら中庭や購買に行きゃいいってのに。
俺は貼り紙をドアに貼り直す。
「でもなぁー、決定事項だからなー」
髪の毛をかきながらそんな言葉を口にする。
実際この手で火野川も部員になったんだし。
「お前らの部活とやらに付き合ってるほど、暇じゃないんだぞ」
「こればかりは退けねーよ」
俺はポケットから缶バッチを取り出す。
それを目の前の少女に差し出した。
/続く