「……ん……朝か……」
枕を抱きながら一人そう呟く。
下ろされたカーテンの隙間から太陽の光が薄暗い部屋を差す。
枕元に置いてある時計に視線を向ける。
時刻は午後一時半。
こんな時間まで眠ってしまうなんて、よっぽど疲れていたのだろうか。
頭が痛い。
こんなに眠っていたら当たり前か。
フラフラと体を起こす。
どうやら昨日はコートを着たまま眠ってしまったらしい。
そんな事を思っている時だった。
ガンガンガンと部屋のドアが音を立てる。
「な、何だ……?」
どうやらドアの向こうから誰かが思いっきり叩いているらしい。
そして次の瞬間。
鍵が掛かっていたはずのドアが私の乗っているベッドの方まで吹き飛んできた。
「ちょっとアンタ、いつまで寝てるんだい!?」
すると部屋の中にハタキを片手に持った婆さんが入ってきた。
この婆さんがドアを蹴り飛ばしたらしい。
「このババァ!何だいきなり!」
思わず怒鳴りつけてしまう。
コッチは疲れてるってのに。
「いきなりじゃないよ。他の子は皆学院に行ってるってのに、アンタは何だい!?」
片手に持ったハタキをブンブン振り回しながら怒鳴り散らす婆さん。
そのせいで部屋全体にホコリが舞う。
「ハタキを振り回すなババァ!」
ホコリを吸って咳き込んでしまう。
ていうか、何でハタキを持ってるんだ。
嫌がらせにハタキを使うなんてタチの悪い婆さんだ。
「これからこの部屋を掃除するから、はよ出ていきな!」
「ゲホ、ゲホ……!……掃除?」
「この時間は学生部屋の掃除なんだよ。他の部屋はもう済んでるけど、この部屋はまだ終わってないのさ」
なるほど、だからドアを蹴り破って入って来たのか。
/続く