――お姉ちゃん……。
腕の中で、身を震わせながら。
――泣いてる、の……?。
消えかかった声で……。
――泣かないで、お姉ちゃん……。
あの子はそう言った。
〝ごめんね、ごめんね〟
ただ謝った。
それしか出来る事がなかったからだ。
――お姉ちゃん……。
連れていかないでと、何ども叫んだ。
傷ついた手のひらが、私の左頬に触れる。
そして優しく、頬を撫でた。
――お姉ちゃん……だい……ス……キ……。
あの子の瞳から、生の色が消えていく。
叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ。
〝私を置いて行かないで……!〟
そう叫んだ時、あの子の瞳から生の色が完全に消え失せた。
周りは灼熱の炎で焼かれ、あちこちから絶望を叫ぶ悲鳴が飛び交っている。
でも、もう私には……叫ぶ事すら出来なかった。
そして思った、これが本当の絶望なんだと。
ただ呆然と弟を抱きかかえる。
勿論、そんな人間をあの化け物達が見逃すはずがない。
次から次へと、私の元に化け物達が餌を求めてやってくる。
私と言う餌を求めて。
でも、逃げる事すら私はしなかった。
私は寄ってくる化け物共に視線を向ける。
歯をぎちぎちと鳴らしながら食いしばむ。
/続く