「雇われてるって、もしかしてアヴェンジャー関係……なの?」
「……え?」
思わず聞き返してしまう。
目の前の生徒会長の口から出た化け物の名前。
「いや、魔術騎士団は対アヴェンジャー迎撃機関みたいな物だから。その大佐に雇われてるのなら、もしかしたらって」
愛花は苦笑いしながらそう言った。
「まぁ、そんな所かな」
「そう、なんだ」
愛花は顔を曇らせながら私の前の席に腰を降ろす。
「なぁ、お前。あの化け物達の事、何か知らないか?」
「何かって言われてもね……、二年前にアメリカのメンフィス州に現れたって事くらいしか私は知らないわ」
「そうか……」
そんな事だろうとは思っていたけど。
アヴェンジャーが始めて現れたのは二年前、2117年。
しかもどういう訳か、私が住んでいたアメリカのメンフィス州に現れたのだ。
そう……そのせいであの子が……。
頭の中であの子が化け物達に殺された時の映像が浮かびそうになるのを必死で堪える。
「ライト、どうかしたの?顔色が悪いみたいだけど……」
心配そうな顔で愛花は私の顔を覗き見る。
まただ……。
あの化け物の事を考えるとたまにこうなる時がある。
「いや、平気だよ……」
顔を手で被いながら震える声で私はそう言った。
「お~い、愛花~」
すると、どこからか目の前の少女を呼ぶ声が聞こえた。
その声はどうやら、食堂の出入口の方から聞こえてくるらしい。
私は顔を声の主の方へと向ける。
そこにはさっきエレベーターで出会した男子生徒二人の姿があった。
一人はメガネをかけた腹の太い男。
そしてもう一人は赤オレンジ色のツンツンした髪型の男だ。
「あ、護、坂口、こっち!」
愛花が二人にそう言いながら手を振る。
すると二人の男子生徒は愛花を見つけるなり、私達が座っている席に近づいてきた。
「お~ヒノッチ、もうその少女と仲良しに~?」
メガネをかけた男がニヤニヤ笑いながら私を見つめる。
正直、気色悪い。
「ただ話してただけなんだけどね。って、あれ?坂口、メガネかけてきたの?」
「うんうん、かけた方がよく見えると思って!」
メガネを上下に動かしながら太った男は私を再度見つめてくる。
つまり、私の顔をよく見たいからメガネをかけてきたと言うわけか。
馬鹿らしくてため息をしてしまう。
/続く