「王子様!!」
「王子様、しっかりしてください!!」
「嫌よ、死んじゃ嫌よ!王子さまぁぁぁぁぁ!」
エレベーターを降りた瞬間にそんな悲鳴が聞こえてきた。
「ちょ、何事……?」
悲鳴のした方へ俺達三人は視線を向ける。
廊下には大勢に女子が群がっていた。
「またあの男が変な事でもしでかしたのかしら……」
あの男、その言葉だけで誰だか分かる。
上原王子だ。
見た目はかなり?ハンサムで学院の女子達からは人気の的。
魔術コース、2年S組の生徒。
この学生寮では女子のアイドル的存在、らしい。
「み、皆……僕が死んでも……」
「王子様!さぁこの〝聖なる水〟をお飲みください!」
一人の女子生徒が倒れている王子に水の入った紙コップを差し出す。
そう〝聖なる水〟と言う名の水道水を。
「あ、あぁ……すまないね……」
王子は病的な顔をして女子生徒からコップを受け取る。
そしてゴクゴクと喉を鳴らしながら〝聖なる水〟を飲み干した。
何ども言うけど、あれは水道水ですから。
「王子様、大丈夫ですか?」
「あぁ、〝聖なる水〟のおかげで、あの世に行かずに済んだよ。おりがとうね」
キラ☆っと、真っ白な歯を輝かせながら女子生徒達に微笑む王子様。
俺達三人は、目を点にしながら彼らの会話を聞いていた。
「あぁ!王子様!そんな笑顔を私に向けるなんて!」
「何言ってるのよ!王子様は私に微笑みかけてくれたのよ!?」
「違うわよ!私よ!」
王子が誰に微笑みかけたのかについて口論が始まる。
すると王子は両腕を広げながら――。
「安心してくれ皆!僕の笑顔は、皆の物さ!」
と、とびきりスマイルでそんな事を口にした。
/続く