私は婆さんの目の前まで行き頭を下げる。
「お願いします、鍵をください」
礼儀正しくそう言った。
「まぁ、見た目だけで勘弁してやるよ」
ほれ、と婆さんは鍵を私に差し出した。
私はそれを奪い取るように受け取る。
そしてそのままエントランスを抜けてエレベーターに乗り込んだ。
六のボタンを押し、六階に上がる。
二階、三階とエレベーターは登っていく。
そして目的の六階に到着した。
ドアがゆっくりと開く。
すると、丁度エレベーターを利用しようとしていた女子生徒と鉢合わせになってしまった。
「あれ?」
そうだった、ここは学生寮だ。
今さらながら面倒な所に放り込まれたと悔やんでしまう。
「アナタ、転校生?」
軽々しく話しかけてくる女子生徒。
私は無視して女子生徒の横を通り過ぎる。
そしてそのまま602号室の鍵を開け、部屋の中に入った。
どうせ用意するならどこかのマンションとかにして欲しかった。
新しく入ってきた奴に軽々しく話しかけてくる奴らのたまり場みたいな場所。
正直迷惑だ。
私はそう心で愚痴りながら部屋の奥へと向かう。
寮部屋と言うわりには結構広い。
薄型テレビが置かれている。
その他にも冷蔵庫、高級なベッド。
そして窓際の机の上には横に長い銀色の板、そしてその近くにキーボードが置かれている。
おそらくはモニター式パソコンだろう。
こんな物まで置いてあるなんて、本当に豪華だ。
後は学生寮でなければ文句はないのに。
私はため息をつき、コートを床に脱ぎ捨てベッドに倒れ込んだ。
/続く