第一章 復讐者 8 | Beyond Despair

Beyond Despair

― 絶望の底に落ちた少女の先に待つ運命 ―

「でも、ゲーム作るって言っても、どんなゲーム作るん?てか、そんなんで生徒会は承認してくれんの?」

俺は火野川に顔を向ける。

彼女はなにやら真剣に考えているようだ。

そして、そんな彼女が――

「良いかもしれない」

と、真面目な顔でそう呟いた。

「え、嘘マジかよ」

思わずそんな声を上げてしまう。

「何よ、もしかして本気じゃなかったの?」

俺はブンブン首を振る。

しかし、まさかあの火野川が認めてくれるとは……。

「でも、もう少し欲しいかな」

「欲しい?何が」

「何がって、具体的な目的よ!ゲーム制作は分かったから、後はどんなゲームを作るか」

なるほど、要はジャンルを決めろと言う事か。

そんなの決まってるだろ!

「エロゲーに決まって――」

「はい却下」

ガクっと一瞬転びそうになった。

「何でだよ!?」

「エロゲーは禁止よ禁止!他にもあるでしょ、例えば……ラブストーリーとか」

「……」

火野川がそう言った瞬間、またしても沈黙な空気になる。

「え、な、何よ!」

「いや、何よって言われてもな……」

こんな女の口からラブストーリーと言う言葉が出てくるなんて……。

「アンタ、今失礼な事考えなかった?」

いえいえ、と手をヒラヒラと横に振る。

火野川は顔を赤くしながら

「と、とにかくもっと具体的にしないとダメなんだからね!」

と、そう怒鳴りながら雑誌拾いに戻った。

坂口も同様に掃除に戻る。

「具体的ねぇ……」

俺もそう呟きながら部室の掃除に戻った。


/続く