2002年アメリカで出版され、
累計350万部の大ベストセラーとなった
“The Secret Life of Bees”
スー・モンク・キッド著
日本では2005年に『リリィ、はちみつ色の夏』として翻訳出版。
2008年には映画化もされた作品です。
こんなに話題があった作品だったのに、
2011年の今日までこの作品に気が付きませんでした。
どこを見てこの10年間を私は生きていたんだろうか~(笑)
かなり出遅れての、
“リリィ、はちみつ色の夏”です。
ストーリーの舞台は、
1964年のアメリカ南部サウスカロライナ。
“愛されている証”を探し求めて家出をした14才の白人少女リリィが、
黒人姉妹が経営する養蜂場で過ごしたひと夏を描いた物語です。
黒人への社会的人種差別と偏見、
多感な少女の心のさまよいと自立を、
サウスカロライナの美しい描写表現に絡ませて、
まるで自分がその時代の夏を過ごしたかのように引き込まれた作品でした。
奴隷制度廃止から1世紀以上たっていても、
肌の色が黒いということで、まだまだ黒人が偏見、差別をされていた時代。
しかし、物語の1964年夏は、
アメリカのジョンソン大統領がちょうど公民権法に署名して、法律上、差別が禁じられた時でもあります。
まさに時代がひとつ、
歴史がひとつ動いた年。
時代に揺れ動く黒人社会と、
心揺れ動く少女の成長とが、
大きな掛け替えのない愛で結びつきます。
人は時として人を傷つけることもありますが、
人は人を救うこともできる。
そして、大きな愛を受け取るのも与えるのも、
全ては自分の中にその力はあるのだということをじんわりと感じます。
社会の病める部分でもある、
人種差別問題、銃問題、家庭環境問題…
アメリカでの大ベストセラーは、
そんな答えを探し求めている人々が多いということなのかなぁ…とも思います。
このベストセラーを力に、
もしかしたら、
アメリカは時代がさらに大きく動いたのかも知れませんよね!
2008年には、アメリカ初の黒人大統領も誕生しましたし、
間違いなく黒人の社会的環境は変わりましたもの!
サウスカロライナの暑い暑い夏の情景は、
身も心も温めてくれた一冊でした。


