福留選手、能見投手の両ベテランに事実上の戦力外通告を出し、先日行われたドラフト会議では支配下で8選手を指名。
この流れから、予想は出来ていた。『そうなってしまうのだろう。』と。
“上本 退団へ”
いざ現実になるとショックは大きい。
上本選手は僕が一番好きな選手。独特なバッティングフォームと小柄ながら甲子園のスタンドに打球を飛ばすパンチ力に魅了された。確実に決めてくる盗塁の技術の高さ、追い込まれても粘って四球を選ぶ粘り強さと選球眼。そして、常に全力プレー。。。
印象に残っているのは、2017年の9.30と10.1に行われた東京ドームでの巨人戦。9.30では1打席目に巨人の先発・畠投手の投球が頭部に当たり交代。その翌日、スタメンに名を連ねると5回表にリリーフで登板していた畠投手から初球をタイガースファンの待つレフトスタンドに運び、チームの勝利に貢献。この試合、僕はテレビで観ていたけど、上本選手がホームランを打った瞬間、物凄く鳥肌が立ったのを今でも覚えている。背番号00の意地の一打に震えた。
小さな身体で全力プレー。その代償は決して小さなものではなく、怪我による離脱が多かった。能力は高いけど、身体がその能力の高さや溢れる野球センスについていけず、結果として怪我をしてしまう……そういう選手だと僕は勝手に思っている。
打球を追いかけてチームメイトと衝突し長期離脱、ダイビングキャッチを試みての怪我……。
そして、今もなお少なからず影響が出ているであろう2018年の“左膝前十字靭帯損傷”。盗塁を成功した際に、脚が伸びきった状態で2塁ベースに接触してしまったことで靭帯をやってしまった。それまで2018年シーズンは45打数19安打、打率.422をマークするなど絶好調だっただけに、チームにとっても上本選手自身にとっても痛い離脱だった。
アスリートにとって、靭帯を痛めてしまうのは致命的だと聞く。2019年の春季キャンプを1軍スタートで迎え、開幕も1軍でスタートするも104打数20安打、打率.192と大きく低迷。夏場には2軍降格も味わった。前年の大怪我から9ヶ月実戦から遠ざかっていた影響からか、粘り強さが消え三振に倒れることが多かった。
それでも、クライマックスシリーズ1stステージでは第2戦で一時同点となるタイムリーヒットを放つなど4打数3安打をマーク。背番号00の意地を見た。ベテランでは異例の秋季キャンプに志願しての参加。何とか戦力になろうと、チームに貢献しようと貪欲だった。
そして迎えた2020年シーズン。バッティングは一時1割すら切ってしまうほど不調。それでも8月に1軍再昇格を果たすとスタメン出場が増え、8月の月間打率は3割超え。復活が見えてきた矢先、8.26中日戦から上本選手がスタメンで起用されなくなった。突然の若手起用という、方針転換だった。
結果を残しながらもスタメンで使われなくなった上本選手は、調子を落とし9月に2軍降格。『これはあまりにも酷すぎる』と思った僕はブログでも言及した。
ただ、今年の上本選手を観ていて衝撃だったことが1つある。それは、“盗塁失敗が多くなったこと”。元々、盗塁が上手い選手で昨年も盗塁を5つ決めて、失敗は無かった。ところが、今年は明らかに走力が落ちていた。盗塁失敗の内容もギリギリで刺されたのではなく、明らかなアウトだった。2軍でもなかなか盗塁が決まらない……。34歳という年齢の問題もあるかもしれないけど、やはり真っ先に浮かぶのは2018年の大怪我……。
あの2軍降格は未だに納得出来てないけど、走力の低下という点においては監督・コーチ陣にとって計算外だったのかもしれないとは思う。
例の会食騒動、コロナ感染で離脱していた選手たちが1軍に戻ってきている今、上本選手は2軍にいる。そして、球団から来年の戦力構想外であることを伝えられ、今シーズン限りで阪神を退団するというニュースが今日出た。
2018年オフ、FA権を取得したものの、『ケガばかりですが、僕のことを応援してくれる人がいる。ケガをしたという状態でも応援してくれた、支えてくれた、そういう人たちのためにプレーしたい』と、FA権を行使せずに残留してくれた背番号00 。
だけど、阪神のユニフォームを身にまといグラウンドで躍動する上本博紀を観れるのは今季限り。
現役続行へ強い意欲を持つ男にとって、これからまた新たな勝負が始まる。
阪神の上本博紀ではなくなっても、僕は上本博紀を応援し続ける。
頑張れ、うえぽん!

