山中に展開する想定外の素顔を、吹く風が運ぶ - 常陸太田市 西金砂神社

 

使用レンズのご紹介リンク

 

 

良く晴れた日、西金砂神社を歩いた。

西暦806年に創建された西金砂神社は断崖上にある。天台宗の宝珠上人が近江国比叡山 日吉神社の分霊を勧請・祭祀したことが始まりとされるから、当時、仏教と神道の間に境界は無かったと言える。

 

それだけではなく、この地は西暦700年頃には、修験道の地として開かれていたともされている。

つまり神道、仏教、山岳修験道のすべてが一つになって、西金砂神社の結界を成り立たせたと言えるのだ。

 

今回、焦点距離が200mmのレンズを使った。西金砂神社で使うのは初めてかも知れない。

レンズの属性は”焦点距離”で表現されることが多いが、撮影自体は”画角”で行う。だからその画角に合う被写体を探すことになるのだが、探すことによって「想定外」は必ず出てくるだろう。

 

もちろん、”画角”にも”被写体”にも言い分はあるだろう。

画角「ねえ、被写体くん、もう少しダイエットしてくれないかな?」

被写体「うまく収められないからって、こっちのせいにしないでくれる?」

あるいは想定外は、そんな闘争?から生まれ出てくるのかもしれないから、なにかと大変だ。

 

初冬の風が強い。山中からはいろいろな音が聞こえてくる。葉擦れの音、なにかが軋むような音や枝が落下したような音など、多様だ。

 

音の重なり方によって、一瞬、人の声のように聞こえることもある。もちろん、人の声とは言っても、なにを話しているのかなどわからない。

あるいは「想定外だよ」とでも言っているのかもしれない。返事もせずに、ただ歩き続けるのだ。