傷付くリアルの中で、理想が笑いかけている - 北茨城市 花園神社、福島県 勿来

 

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快晴の日、北茨城市の花園神社と福島県の勿来の関跡をめぐった。

この二つのルートを繋いだのは、初めてかも知れない。

他県とは言っても、いずれも県境に位置しており、緯度がほぼ同じだから地図で見ればそれぞれはほぼ真横に位置する。

 

常陸の国の豪族、佐竹氏を討伐するため源頼朝が攻め寄せたとき、佐竹氏が立て籠って防戦したのが、山深い花園神社だった。頼朝はここまで来たのかと驚いてしまう。

 

佐竹氏は同じ源氏である源頼朝と対立し、その後の戦国時代では豊臣方に付いた。

結果として源頼朝と徳川家康という戦国の二大覇者と対立したことになるのだが、意図することとは別に、そうなるしかないような流れというものがあるのだろうか。

 

勿来は山深い花園神社から、直線距離で14kmほど離れた海辺にある。

海辺にある家々は潮風にさらされるから家屋の劣化が早い。そんな中を歩けば、刻み込まれたものがリアルに感じられる。リアルとは必ず傷と痛みを伴うものなのだ。

 

勿来の関跡にある文学歴史館に、いわき市の町の、イメージキャラクターのアニメ画が一覧展示されていた。

いずれもアニメの主役級登場人物という感じだ。勿来のイメージキャラクターは、名前を「勿来櫻慈(なこそおうじ)」というのだそうだ。

リアルには、いつでもそこに共にある理想像というものが感じられる。それはなかなか楽しいものなのだ。