名が彩る水辺のエリアに、春の気配は忍び寄る - 矢祭渓谷、矢祭神社、常陸太田市 根岸の溜池

 

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福島県の矢祭町まで行った。矢祭渓谷だ。かなり好みの場所で、けっこうリピーターだ。

矢祭という地名は、源義家がその景観に感動し、矢を岩窟に奉納したことから付けられたとされる。

 

その後、義家は矢を奉納した場所を神社として勧請し、矢祭神社が創建された。

矢祭神社の祭神は太陽神である天照大神だ。源氏の棟梁である源義家なら武神や国造りの神を祀りそうだと思うのだが、ちょっと意外だ。

 

驚くのは”矢祭”という命名のセンスだ。由来を念頭に置いても”矢祭(やまつり)”という言葉をそもそも思いつくだろうか。

 

矢祭神社とは久慈川を挟んだ位置にある矢祭渓谷は、苔むした硬い岩盤によって形成されている。

渓谷の奥に弘法大師ゆかりの不動明王が祀られている。エリア全体が巨岩によって形成された景観は圧巻だ。

 

帰路、常陸太田市の”根岸の溜池”に立ち寄った。ここは規模があまりにもささやかで、ほとんど誰からも知られていない。

名称の看板などもないから、これまでここが”根岸の溜池”という名前であることすら知らなかった。

 

動的な景観を呈する矢祭に比べて、こちらは微笑があるかのように穏やかで静的だ。

水面には木々が映っている。近くを通りかかれば必ず立ち寄る、個人的シークレットガーデンなのだ。